ラブライブ!スーパースター!! 二期第五話「マニーは天下の回りもの」感想 ~胸を張るのってムズかしいね~

皆様、こんにちは。
台風が猛威を振るい、天候も安定しない今日この頃ですが、進捗いかがですか。


【悲報】「ちょこっとリエラ」の予約、失敗。

関連書籍は基本的に近所の書店で予約することにしているのですが、先日「ちょこっとリエラ」の予約をしたところ、「品切れにつき予約出来ない」と言われてしまったのです。さすがにこれは、はじめての経験なんですよね。そんなに人気だったのか、「ちょこっとリエラ」……。
まあ、急ぐ買い物でもないですし、アニメイトゲーマーズに行ったり、Amazonで注文する手もあるので、そこまで悲観してはいないのですが。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像は注記がない限り「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!! 二期』第五話」からの引用です。



「ちょっと出来る」の壁

メイ「とは言ったものの……」
四季「やっぱり、二年生はスゴいひとばかり……」
きな子「っすね……」

Liella!の新たなるメンバとなったメイ・四季。このふたりにきな子を加えた一年生トリオは、かのんたち二年生との実力差をひしひしと感じている様子です。そして「実力差をひしひしと感じて」しまう要因は、「スクールアイドルとなって日が浅いから」とか「今までよりも近くでかのんたちの実力を目の当たりにしているから」だけではないように、わたしには思えてくるのです。

きな子「あれは……、いい言葉が思いついたら書きためてるだけで、全然……」

メイ「だったら、私のピアノだって恋先輩に比べたら……」

四季「私のダンスも……」

きな子は作詞が、メイはピアノが、四季はダンスが「ちょっと出来る」。「ちょっと出来る」からこそ、「とても出来る」先輩との実力差をひしひしと感じてしまうのでしょう。もしかすると、「とても出来る」先輩がすぐ近くにいるからこそ、自分の実力に自信が持てないという部分もあるのかもしれません。
否が応でも実感してしまう、先輩との実力差。その先輩たちは「まだはじまったばかりなんだから」・「頑張って練習して少しずつ伸ばしていけばいい」・「完璧じゃなくてもいい」と言ってくれるものの、「ラブライブ!」地区予選や学園祭という大きな舞台が待ち構えている以上、悠長なことは言っていられない。スクールアイドルとして先輩たちと肩を並べ、大舞台で胸を張ってパフォーマンスするためにも、自分たちの実力を高めていかなければならない。でも、そのためにどうしたらいいのか「なにもわからない」……。
きな子たちが現在置かれている状況は、つまりはこういうことなのではないでしょうか。

そうなってくると、期待したいのが夏美の存在なのです。

今はまだ、Liella!にとって「外部」の存在である夏美。しかし、「外部」にいるからこそ見えてくるものが、きっとあるはず。そして「かのんたちのスゴさ」がわかってしまうからこそ自信が持てないまま思い悩み、立ち止まってしまうきな子たちと違って、「かのんたちのスゴさ」を知らない=「無知」だからこそ可能な「無理・無茶・無謀」(もう少しポジティブに言い換えるとすれば「蛮勇」あたりでしょうか……?)がきっとあるはずなのです。むしろ、それこそが現在の夏美に期待されている役割であるように、わたしには感じられます。そして、その「無理・無茶・無謀」こそ、きな子たち一年生トリオにブレイクスルーを与えてくれるはずなのです。


そして、次回予告にその「無茶」の片鱗が見え隠れしているように思えるのですが、はてさて……。なにかとんでもないことをやらかしてくれそうな予感はしてくるので、それを楽しみにしながら次回からのストーリーを待つことにしましょうか。

今回の「イメージ」のお話

夏美「うう……、全く再生数が伸びない……」

「オニナッツチャンネル」の動画再生数が思うように伸びず、頭を抱える夏美。動画再生数がマニーに直結することもあり、それが必要な夏美にとってはかなりの死活問題であるようです(なぜそこまでしてマニーを必要とするのかという「謎」は残っていますが、それはそれ、これはこれ)
彼女の動画は、なぜ再生数が伸びないのか。その要因は現時点では推測するしかないですし、おそらくその答えが今後お出しされることもないかと思われます。「動画が面白くない」・「宣伝不足」といった要因も当然のごとく考えられましょうが、その上で個人的な考えを語るとするなら「『オニナッツチャンネルといえばコレ』・『鬼塚 夏美といえばコレ』という『イメージ』が定着していないのではないか」というのがあるんですよね。

彼女がアップロードしている動画一覧を見る限り、「ウケそうな題材に手を出す」⇒「ウケないので別の題材に手を出す」というサイクルが発生しているように見受けられます。しかし、そのせいで「オニナッツチャンネルの『ウリ』」が全然見えてこないのではないかというのが、考えとして出てくるところがあるのです。「どんな動画を作ってもバズる」なんていうのは、「誰でも知ってる」クラスの動画配信者でなければ簡単に出来るものではないでしょうし……。

ナナミ「かのんちゃんは音楽科に入ったとしても一番と言われるくらい、とても歌がうまいって評判でしょ?」
(「ラブライブ!スーパースター!! 二期」第一話より)

例えるなら、「かのんといえば『歌』」・「千砂都といえば『ダンス』」・「可可といえば『スクールアイドルに対する情熱』」といったような「イメージ」が、夏美や彼女の動画チャンネルには存在していないのではないでしょうか。それゆえに視聴者も定着せず、動画の再生数も全然伸びず……。わたしには、そのように思えてくるのです。「鬼塚 夏美」は強烈な個性を持ったキャラクタであるということについては、わたしたちも実感しているところではありますが、動画を見てもらえない現状ではそれが伝わることもありませんからね……。
そういう観点から見てみると、「Liella!の専門チャンネル」という方向性は(Liella!の話題性そのものを度外視しても)「オニナッツチャンネルの『ウリ』」を作り、「オニナッツチャンネルといえばコレ」という「イメージ」を確立させるにあたってそれなりに悪くない選択肢だと思えるのですが、はてさて。

夏美「マニーですの……。にゃはっ! マニーですのーぅ!」

Liella!という、「バズる」ための格好の題材を手に入れたオニナッツチャンネル。はたして、「オニナッツチャンネルといえばコレ」という「イメージ」は確立してくれるのでしょうか。そしてそれは、夏美のもとにマニーの雨を降らせてくれるのでしょうか。

こぼれ話

「憎めない小悪党」的な趣(おもむき)

夏美「わかっておりますの。ご心配なくー、ふふっ」

夏美「ああっ、そこに伝説の神・マニータイガーががががががが!」
すみれ「あっ、こらっ!」

Liella!のプロデュースを行うにあたって契約書を用意する周到さを見せたかと思ったら、すみれや四季に動画収益のことを問いただされると言葉を濁し、挙句の果てに逃亡を図るぽんこつっぷりを見せたりと(いくらでも理論武装の余地はあろうものですが……)、どうにもアンバランスな印象。そこはかとなく、洗ってない矢澤や洗ってない中須の匂いを感じさせるところもあるんですよね。

どこぞの理事長も「パーフェクト・ナイン」と言っていた

可可「スクールアイドルにおける『9』は絶対数!」
メイ「そう! 数々のレジェンドスクールアイドルたちが作り上げた『9』の奇跡!」

でも多分、次年度になったらさらに三人くらい増えるよ、キミたち。

前回は結果的に良い方向に転んだとは言え

かのん「すみれちゃんの言うことが間違ってるって言ってるわけじゃないんだよ。でも……、何かある気がするんだよね」

就任早々の公約破りをブチかました恋について「何か、理由がある気がするんだよねえ……」と語るかのん。

ラブライブ!スーパースター!!第七話「決戦!生徒会長選」感想 ~未来の色はまだ、ぼやけて見えやしない~ - メガネ(裏)

言っていることが、「スーパースター!!」一期第七話での恋に対するそれとまるで一緒である。
「現状維持」や「ひとまず保留」と紙一重とも言えるかのんの慎重姿勢、「いつかこれで痛い目を見る日が来るのでは……?」という気持ちと「言うて、『ラブライブ!』でそんなストーリー展開をやってくるのか……?」という気持ちがせめぎ合うところがあるんですよね。この懸念が、杞憂に終わってくれればいいのですが。

今回のここ好きポイント

夏美「ワタクシ、鬼塚 夏美と申しますの」

お願いだから、ずっとメガネっ娘のままでいてほしい。

今回のここ好きポイント その2

かのん「しー・いー・おー……」
きな子「それ、きな子も昔もらったっす」

「『昔』って言ったって、せいぜい三ヶ月前でしょ」という気持ち。




夏休み中は二年生と別行動を取ることを決意した一年生たち。この展開については、「スーパースター!!」一期五話でかのんたちと別行動を取った千砂都を思い起こさせるところもありますよね。千砂都もそんな自分自身を一年生と重ね合わせたからこそ、彼女たちの別行動に許可を出したところがあるのでしょうし。
先輩に追いつけ、追い越せとばかりに奮闘するきな子たち一年生トリオ。その裏でうごめく夏美の策謀。はたして、きな子たちの奮闘は実を結び、自信が持てない自分たちから「バイバイしちゃ」うことが出来るでしょうか。そして、夏美はいかにしてLiella!のメンバとなるのでしょうか。

次回や、いかに。




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ラブライブ!スーパースター!! 二期第四話「科学室のふたり」感想 ~心のリミッターはずせば、無限の可能性~

皆様、こんにちは。
そろそろお盆休みもはじまる頃合いかと思われますが、進捗いかがですか。


「スーパースター!!」は書籍でのサイドストーリー展開もどんどんやってくれるというのが、個人的に嬉しいところとしてあります。紙媒体だというのもグッドポイント。見返したいときにラクなんですよね。
まあ、積読も一緒に捗ってしまうのが、唯一にして最大の難点なのですが(まだ二、三冊ほど読んでない関連書籍が……!)


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!! 二期』第四話」からの引用です。



「新しい私」へ、「新しい一歩」を

今回のエピソードは、「やりたいという気持ちこそが一番大事」という部分においては「いつもの『ラブライブ!』」を感じさせるというところが、個人的には大きかったんですよね。
むしろ、その前段階として「『向いている・向いていない』や『出来る・出来ない』で自分の可能性を狭めてはいけない」というスタンスを提示し、それを千砂都の気づきと決意、そして成長に繋げていくという展開に目を引かれたというところがあります。

千砂都「決めちゃってたよね、メイちゃん」
かのん「えっ? うん……」
千砂都「出来るって思えば、出来るかもしれないのに!」

恋「千砂都さんが……」
可可「部長を!?」
千砂都「迷惑かけるかもしれないんだけど、自分にも出来るんじゃないかって……。チャレンジしてみたいんだ」

当初はかのんに勧められても「そういうの、向いてないし……」と、スクールアイドル部部長になることに消極的だった千砂都。しかし、彼女は「私は(スクールアイドルに)向いてないって!」と語るメイに、そんな自分自身を重ね合わせたのでしょう。それと同時に、幼き日にかのんから言われた「ちぃちゃんは、自分が出来ないって思い込んでるだけ! だから大丈夫!」という言葉を思い出し、スクールアイドル部部長という大役への「チャレンジ」を決意するのです。


そして、この千砂都の決意が「『自分』がチャレンジしてみたいから」という理由だというのも、着目すべきポイントかなと思うところがあるんですよね。
今までの千砂都の行動原理は、かのんの存在が中心にあったというのは言うまでもないでしょう。「スーパースター!!」一期第六話を持ち出すまでもなく、それは明らかなこと。少なくとも、わたしにはそのように感じられます。
しかし、今回の千砂都は違ったのです。幼き日のかのんの言葉という後押しがあったにせよ、その決意は「『かのん』が勧めてくれたから」とか「『かのん』の助けになりたかったから」ではなく、「『自分』がチャレンジしてみたいから」というのが理由である。「かのん」ではなく「自分」が主体になっているというのは、今までの千砂都からすると想像も出来ないことだな……、という気持ちが出てくるのです。

この新たな「チャレンジ」は、きっと千砂都にとって「新しい私」を叶えるための第一歩になってくれることでしょう。わたしには、そのように感じられるのです。

「セルフイメージ」に立ち向かえ

これまでの「スーパースター!!」二期のストーリーは「『パブリックイメージ』に対して、どのように立ち向かっていくか」ということを予感させるものだったわけですが、今回は「『セルフイメージ』に対して、どのように立ち向かっていくか」というのを示していくのが、ストーリーとしてのポイントのひとつだったのかなと思うところがあるんですよね。

p1rcdfqqu.hatenablog.com


メイ「わかるだろ! この顔だし、この性格だぞ。どう考えても向いてないだろ……!」

四季「こんな……、笑顔ひとつ上手に作れない子に……、スクールアイドルなんて、無理」

「私には向いていない」。
「私には出来ない」。
「私には無理だ」。

ネガティブな「セルフイメージ」は、まるで「呪い」のように自分自身を蝕み、そして縛り付けていく。その心に迷いを生じさせ、逃げ口上を与え、一歩を踏み出す勇気さえも奪っていく。そして厄介なことに、この「呪い」は自分ひとりでは解くのが難しい、言うなれば「困難」でもあるのです。その手強さは「パブリックイメージ」にも引けを取りません。


しかし、「私」ひとりでは解くことが出来ない呪いであっても、「私たち」であれば。「私」だけでは立ち向かうことが出来ないような困難であっても、「みんな」と一緒であれば。
「ほら、一歩目を一緒に飛ぼうよ」と言ってくれる誰かが、隣にいてくれたなら。


メイ「四季が近くにいてくれたら……、頑張れそうな気がするんだ」

「私たち」だからこそ、大いなる困難だって乗り越えることが出来る。「みんな」が一緒だからこそ、一歩を踏み出す勇気が湧いてくる。今回のエピソードにはそのようなメッセージが込められているように思えてくるんですよね。
そしてこれは、「みんなで叶える物語」をキャッチフレーズとして掲げる「ラブライブ!」らしさであり、「みんなのために歌いたい」・「音楽でみんなを結びたい」・「みんなで喜びを分かち合いたい」という思いを胸に走り続けるLiella!と「スーパースター!!」らしさにも繋がっていくメッセージであるなと、わたしには感じられるのです。

「ひとりひとりがスーパースター」であるために

きな子「きな子は、入ったときからかのん先輩が部長だと思ってたっす」
すみれ「当然の流れでしょ」

メイ「部長!? そうか、部長を決めて……。誰になった?! やはり澁谷さん!?」

「パブリックイメージ」という観点から見てみると、「Liella!を牽引する存在はかのんである」・「かのんこそがLiella!の中心人物である」という「パブリックイメージ」は、作中においても完全に定着しているように見受けられます(かのんを除いたLiella!メンバですら、その例外ではないのです)。しかしこの「パブリックイメージ」は、「スーパースター!!」一期第十話や二期第三話でかのんが語った「Liella!は全員がセンターである」という理想とは少なからずズレが生じているように感じられるのです。かのんもそのズレを感じていたからこそ、「スクールアイドル部部長は自分以外がやるべき」と考えたのではと思うところも、わたしにはあるんですよね。
この「パブリックイメージ」に打ち克てるかどうかということも、Liella!が「ラブライブ!」を勝ち抜いていくにあたってのキーポイントになっていくような予感がしてきます。

さらに言うなら、これからのストーリーにおいてLiella!が、そしてかのんたちが「パブリックイメージ」・「セルフイメージ」というふたつの「イメージ」に対してどのように向き合っていくのかというのも着目していくべきポイントなのかなと、わたしには感じられるんですよね。

こぼれ話

ベタながらもベターといったところがある

メイ「そういうことか……。まさか、お前もとはなあ……?」

こっそり振りコピしているのを「見ーちゃったー!」するの、「スーパースター!!」一期第四話のセルフオマージュ的な趣(おもむき)を感じさせられる。話数まで一致しているのは偶然なのか、あるいは……?

四季「顔、真っ赤」

メイ「顔、真っ赤だぞ?」

四季「すごく可愛かった」
メイ「可愛いとかじゃない!」

メイ「可愛い」
四季「い……、言わないで……」

さらに言うなら、序盤と終盤で構図を反転させてお出しするかのような展開も、個人的にはなかなか好みだなと思えるところがあるんですよね。

もはやムーブが「苦学生」のそれなんですよ

夏美「腰が……、夏美の腰が……。オニナッツですのー……!」

まさか、ガチ肉体労働にまで手を出しているとは。そこまでして、マニーが必要なのか……?
それはそれとして、Liella!へのメンバ入りが確定しているにも関わらず、これほどまでに関わりが薄いままストーリーが進むとは思わなかったというところはあります(夏美とまともに会話したの、きな子だけじゃないの……?)

彼女がいかにしてLiella!のメンバとなるのか、その導線はまだまだ未知数。今後の展開や、いかに。

ラブライブ!スーパースター!! 二期第三話「優勝候補」感想 ~次のステップへ、さあ進もう~ - メガネ(裏)

本当にどうなるんだよ、いやマジで。

今回のここ好きポイント

「ドアノブガチャ」を思い起こさずにはいられない。




メイと四季のふたりを新たなメンバとして迎え、さらにその賑やかさを増していくLiella!。
そして、次回は「最後のひとり」がついにストーリーに本格参加する気配も感じられて、期待感もますます高まってくるんですよね。


それはそれとして、「解説不要な例のアレ。」じゃあねえんだよ、「例のアレ。」じゃあ。




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ラブライブ!スーパースター!! 二期第三話「優勝候補」感想 ~次のステップへ、さあ進もう~

皆様、こんにちは。
八月を迎え、夏の暑さが容赦なく喉元に牙を突き立ててくる今日この頃ですが、進捗いかがですか。


前提条件として、「スーパースター!!」二期が終われば3rdライブが開催されるだろうというのは、当然の予測としてあったんですよね。ただし、それは「言うて、2ndライブと同じように首都圏メインでの開催でしょ?」という予測も一緒だったわけですが。しかし、フタを開けてみれば開催されるのはなんとライブツアー! しかもわたしの地元である北海道にも来てくれるという嬉しいサプライズまで待ち受けていたのです。「Liella!生放送」での発表を聞いた瞬間、リアルで「マジかよ?!」という声が出てきたところまでありましたね。これはぜひとも現地参戦したいところですが、はてさてどうなることやら(ハコのキャパシティが1stライブツアーと比較して格段にデカくなっているから、どうにかなると信じたい……!)
あとは、十二月終盤と二月に不自然な空白期間があるのも気になるところ。これはもしや、二度目のカウントダウンライブや「超次元音楽祭」のような外部イベントへの参加があったりするのでしょうか……?  これについても続報を待ちたいところであります。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像は注記がない限り「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!! 二期』第三話」からの引用です。



エトランゼにして、アンチテーゼ

このような存在は、完全に盲点にして想定外だった。
そのように思わされたというところはあります。

ウィーン「『ラブライブ!』ってすごい大会と聞いていたけど……、あなたたちが優勝候補ってことは、そこまで大した大会じゃないみたいね」

第二話ラストにおいて何の前触れもなく登場し、わたしたち視聴者を「誰だアイツ?!」の大嵐に巻き込んだ謎の少女。その正体は、異国(名字から判断するにドイツ語圏か……?)より来たりしソロスクールアイドル、ウィーン・マルガレーテでした。


世界的にも有名な「音楽の都」の名を冠するその少女が何を目的として日本に来訪し、そしてスクールアイドルとなったのか。現時点でそれを推測する材料は、あまりにも少ない。皆無と言っていいほどです。
しかし、彗星の如く現れ、「優勝候補」と目されたLiella!から「代々木スクールアイドルフェスティバル」優勝の座をもぎ取ったウィーンの姿からは、彼女がかのんたちに対する「アンチテーゼ」的な存在となる予感をひしひしと感じさせられるんですよね。

Liella!メンバをたじろがせ、かのんに「『ラブライブ!』優勝」を目指すことへの迷いを生じさせるほどの圧倒的なライブパフォーマンスを披露し(これが中学三年生にしてフェス出場という特例を認めさせたパフォーマンス!)、「孤高」という言葉があまりにもしっくりハマるその立ち振る舞い。
それは「みんなのために歌いたい」・「音楽でみんなを結びたい」・「応援してくれるみんなで勝利する喜びを分かち合いたい」というLiella!のスタイルとはまるで正反対なイメージを与えてくるように思えるのです。

かのん「センターは、ここにいる全員。そして、結ヶ丘の生徒全員。この最高に、素敵な学校全部!」

そういう観点から見てみると、今回のエピソードラストにおけるライブ直前にかのんから語られたこのセリフも、この対照性を強く補強してくるかのように感じられるんですよね。


謎多きソロスクールアイドルが、今後のストーリーにおいてどのような波乱を巻き起こしていくのか。
これからのウィーンの動向が、大いに気になるところです。

「パブリックイメージ」という名の怪物

それはそれとして、今回のエピソードにおいては、Liella!がこれから歩んでいく「『ラブライブ!』優勝」への道程が、想像していた以上に困難なものになるかもしれないと感じさせられたところはあります。

「スーパースター!!」一期での「ラブライブ!」東京大会敗北に続く、今回の「代々木スクールアイドルフェスティバル」における敗北。この続けざまの「敗北」という事実は、かのんたちにとって「パブリックイメージ」という大いなる障壁となって立ちふさがるのではないかという懸念が、わたしのなかに出てきてしまうのです。


上述ツイートで挙げた「背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~」というマンガのなかに、以下のようなセリフがあるんですよね。

「私の私見では二組(ふたくみ)の間にそこまでの実力差はないけれど… ただ競技ダンスでの勝負というものは」
「印象(イメージ)との戦いでもあるというのが難しいところねェ…」

「すると当然有名になればなるほど 見ている人たちの中でその選手に対する印象(イメージ)が固まってきてしまうのよ」

「もちろん審査員は全ての選手を公平に見てはいるけど 不思議なものでそういうのって選手たちにもすりこまれてしまうのかもね」
「本人たちも無意識に『二位のダンス』を踊ってしまってるのだと思うのよ」

「観客や審査員そして何より自分たちの中から」
「その『いつも二位』という印象(イメージ)をぬぐい去って順位をくつがえすのは至難の業 要するに」

「今のままなら…」
「勝つのは相当…厳しいわよ…?」

(以上、すべて「背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~」七巻 STEP56「綾辻理央③」/作:横田卓馬 より)


背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~」は競技ダンスを題材としたマンガなのですが、上述引用で挙げた内容は競技ダンスのみならず、様々なシチュエーションにおいて言えることだと思えるのです。そしてそれは、Liella!が現在置かれているこの状況も例外ではないように感じられてきます。

今はまだ、二回目(「クーカー」時代を含めると三回目)の「敗北」。しかし、この「敗北」が続いてしまえば。「Liella!はSunny Passionやウィーンには勝てない」・「いつだってLiella!は二番手だ」という印象がついてしまえば。その「パブリックイメージ」は恐るべき怪物として、Liella!に襲いかかってくることでしょう。

かのん「『レベルが高そう』かあ……」
(「ラブライブ!スーパースター!! 二期」第一話より)

かのん「練習が?」
きな子「はい。クラスに、練習中のきな子を見たって子が何人かいて、それがすごい厳しそうに見えたらしくて……」
(「ラブライブ!スーパースター!! 二期」第二話より)

ストーリー序盤である現在においては、上述の懸念もまだ「懸念」の段階でしかなく、もしかしたらそれは「杞憂」に終わってくれるのかもしれません。しかし、わたしたちはすでに目撃してしまっているのです。かのんたちが「目指すは『ラブライブ!』優勝」=「練習がとても厳しい」という「パブリックイメージ」のせいで新入生獲得にさんざん苦労させられる、その有様を。

かのん「私たちは……、優勝候補じゃない」

あるいは、「パブリックイメージ」という怪物は、すでに牙を剥いていると言えるのかもしれません。
現在、Liella!に与えられている「優勝候補」という期待はSunny Passionが「一番心躍るグループ」として評価しているから、というところが大きい。もちろん、Liella!がその評価にそぐわないグループであるとは思いませんが、少なくとも、かのんはそれが分不相応な評価であると感じているように、わたしには思えます。
そして、今後のストーリー展開によっては「優勝候補」という評価は「その評価に応えなければならない」というプレッシャへと反転して、かのんたちに襲いかかってくるかもしれない。「期待に応えたい」という願いが「期待に応えなくてはならない」という呪いに変容してしまうかもしれない。そのような、よからぬ想像まで出てくるところがあるんですよね。これもまた「パブリックイメージ」が持つ恐ろしさかもしれないというのは、わたしの考えすぎでしょうか……?

「雨上がりの屋上」は、これからのLiella!に待ち受ける数多くの困難と、それを乗り越えて走り抜ける彼女たちの勇姿が予感させられ、今後のストーリーへの期待も高まってくるのです。

ラブライブ!スーパースター!! 二期第一話「ようこそLiella!へ!」感想 ~「はじめまして」からはじめよう!~ - メガネ(裏)

しかし、よく考えてみれば、Liella!に数多くの困難が待ち受けているであろうというのはすでに予測がついていたところ。そして、待ち受ける困難が大きければ大きいほど、それを乗り越えた先に待っているカタルシスもより大きくなるというものでしょう。言い方を変えるなら、「こうでなくちゃ面白くない」。ドキドキやハラハラは、ワクワクのスパイスにもなるのですから。


信じようではありませんか。
降り注ぐ雨が激しければ激しいほど、それが過ぎたあとに輝く陽光はより眩しく彼女たちを照らすのだと。そして、青空に浮かび上がる虹はより色鮮やかな架橋となって彼女たちを導くのだと。

こぼれ話

常夏の島の太陽のように

悠奈「ただ……、私たちはそれでも負けないけどね」

「『ラブライブ!』連覇」という新たなる目標について語るSunny Passionのふたり。それは「夢」と呼ぶにはあまりにもギラギラしていて、むしろ「野望」と呼んだほうがしっくり来るような印象を与えます。
たった一度の優勝に満足することなく、学校や神津島のみんなの期待を推進力に変えて、「最高の『未来』」を貪欲に追い求める姿勢。これこそ、Sunny Passionが「王者」たる所以だと思えてくるのです。
「スーパースター!!」一期では「先導者」として、駆け出しのスクールアイドルであったかのんたちを導いてきた悠奈と摩央。そんな彼女たちが、今度は「『ラブライブ!』優勝」を目指すLiella!にとっての最大級のライバルとして立ちふさがる。これもまた、胸が躍る展開なんですよね。

望むは金銭? 見えない導線!

夏美「ガッデーム! たった一分遅れただけで低評価……!」

フードデリバリー(パロディがロコツすぎる……!)のアルバイトにいそしむ夏美。まさか、マジでマニーが必要なのでいらっしゃったのですか。第二話での「日経平均全面安」は、ガチで株価を気にしていらっしゃったのですか。
それはそれとして、今回のエピソードにおける夏美については、「代々木スクールアイドルフェスティバル」やストーリーラストでのLiella!ライブに参加している様子が見受けられなかったというのが気になるところとしてあります。彼女がいかにしてLiella!のメンバとなるのか、その導線はまだまだ未知数。今後の展開や、いかに。

今回のここ好きポイント

かんたんきなこ。

今回のここ好きポイント その2

メイからLiella!へと届けられた差し入れに添えられたメッセージカード。
小さく添えられた「様」の文字に、すんでのところで正気を取り戻したかのような趣(おもむき)がある。




現れたのは新たなるライバル。待ち受けるのは大いなる困難。
しかしながら、それらがわたしに予感させるのは不安よりもむしろ期待。かのんたちは、新たなる強敵にいかにして立ち向かっていくのか。そしてLiella!は、いかにして大いなる困難を乗り越え、「『ラブライブ!』優勝」という目標に向かって駆け抜けていくのか。想像するだけで、ワクワクが止まらなくなるのです。


そして、第四話はついに「あのふたり」がストーリーに本格的に関わってきそうで、そういった意味でも期待感がさらにドライブしていくんですよね。

はてさて、次回はどうなることやら。




ラブライブ!スーパースター!! 二期第二話「2年生と1年生」感想 ~夢見るパワー、信じてみようよ~

皆様、こんにちは。
七月も終わりに近づき、猛暑もいよいよ本格的に牙を剥くことが予測される今日この頃ですが、進捗いかがですか。


ここしばらく続いている「ラブライブ!」公式の「コットンキャンディえいえいおー!」推し、一体何なんですかね……?
「電波曲」とか「ボブネミミッミ」とか「高熱のときに見る夢」などという評価で概ね固まっている「コッキャン」。それについては「九割くらい、MVのせいでしょ……」と思っていたところがあるのですが、ライブパフォーマンスを観る限り、その考えは改めなければならないのかもしれない。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!! 二期』第二話」からの引用です。



「最高の『イマ』」発、「最高の『未来』」行き

きな子「きな子が憧れたのは、こんなふうになりたいって思ったのは、優勝を目指して必死に頑張っている先輩たちなんです!」

「目指すは『ラブライブ!』優勝」=「練習がとても厳しい」というパブリックイメージがすっかり定着してしまったLiella!。このパブリックイメージのせいで新入部員が全然来てくれないという状況を打破すべく、かのんたちは練習メニューの負担軽減によるイメージアップを図るのですが、その方針に待ったをかけるものがいました。それは、その練習メニューについていけない当の本人であるきな子だったのです。

新入部員が慣れていないうちは練習メニューを負担の軽いものにする。確かにそれもひとつの方法ではあるでしょうし、きっと間違った選択肢ではないはず。新入部員が練習に慣れていくにつれて、その負担を増やしていくような方法だってあるわけですし(千砂都たちはそこまで言及していませんが、それはそれ、これはこれ)


「でも」。
きな子はそれでも、「でも!」と叫ぶのです。

彼女が憧れたのは、「大変でも前向きに頑張っている」かのんたちなのだと。


「『ラブライブ!』優勝」という目標のために、全力で駆け抜けるLiella!。しかし、きな子が「先導者」に見出したのは、むしろ「最高の『イマ』」を全力で駆け抜けていく姿だったのではないでしょうか。
「『ラブライブ!』優勝」という「最高の『未来』」をその手に掴むため、一瞬一瞬に悔いを残さないように精一杯走り抜ける。この瞬間が「最高の『イマ』」であるように、全力を尽くす。きな子が見たのは、そんなかのんたちの姿だったのではないでしょうか。

きな子「きっと、伝わると思うんです。大変でも、やりたいことを続けていれば、その先にある楽しさは大きくなるって。みんなが一緒にやってみたいって思うものが作れるんじゃないかって!」

そして、そんな「先導者」の姿に憧れたきな子だからこそ、このような言葉が出てきたのではないかと、わたしには感じられるのです。
「楽しいこと」と「厳しいこと」は、けして相反するものではないのだと。たとえ「『ラブライブ!』優勝」への道程がどんなに厳しくて大変なものであったとしても、その道程を精一杯駆け抜けるからこそ、「イマ」やれることに全力を尽くすからこそ伝わる「楽しい」が、きっとあるのだと。

彼女たちが「スクールアイドル」として活動出来るのは高校三年間というわずかな期間。しかし、「無印」劇場版で穂乃果や絵里も語った通り、「限られた時間の中で精一杯輝こうとする」こそ、スクールアイドルは「スクールアイドル」たりうると言っていいのではないでしょうか。
「だってだって、いまが最高!」と、高らかに、晴れやかに、胸を張って歌い上げる。その姿は「スクールアイドル」としてのひとつの到達点であるように、わたしは思うのです。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第十一話「過去・未来・イマ」感想 ~ヒカリを目指して、出発!Ready Go!~ - メガネ(裏)

「イマ」を、全力で輝くために。
「イマ」を、精一杯トキメくために。
「イマ」が最高だと、全力で伝えるために。

きな子が見たのは、「『ラブライブ!』優勝」という目標に向けて駆け抜けることで「スクールアイドルとしての到達点」にまで手を伸ばそうとする、そんなLiella!の姿だったのかもしれない。わたしには、そう感じられるのです。


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そして、そんな彼女たちだからこそ、雨上がりの屋上で高らかに、晴れやかに、胸を張って歌い上げるのでしょう。
「この瞬間(とき)目一杯に 夢見て精一杯さ」と。

「想い」を、あなたに託したくて

メイ「だったら、そのまま突き進んでくれよ」
きな子「えっ?」
メイ「自分がやりたい、目指したいって思ったことを信じてみろよ!」

今回のエピソードにおいて、きな子の背中を押したのはメイの言葉でした。
きな子からのスクールアイドル部への勧誘を断り、「スクールアイドルなんて興味ない」という姿勢を崩さないメイ。しかし、(少なくとも我々視聴者からすれば)それは本心から出てくる態度でなく、本当はスクールアイドルが大好きであるというのは、もはやバレバレなのです。それでも「スクールアイドルが大好きな自分」をひた隠しにしているのは、「強面なパブリックイメージ」とのギャップゆえに周りの目が気になってしまっているのではないかというのが、予測としてつくところはあるんですよね。

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おそらく、メイはきな子に「想い」を託したいのではないでしょうか。
スクールアイドルのことが大好きで、憧れていて、大声で応援したくて。でも、周りの目が気になってしまって、そういうわけにもいかない。だから、「興味なんてないんだ」という顔をするしかない。
そこに現れたのが、きな子の存在でした。「『ラブライブ!』優勝」という目標に向けて全力で駆け抜けるLiella!に憧れ、自分自身もスクールアイドルとしての一歩を歩みはじめたきな子。傍から見るとどう見ても練習についていけていないのに、先輩の後ろ姿を必死に追いかけようとするその姿は、どこか目をそらせず、放っておくことも出来なくて。もしかすると、メイはそんな彼女の姿に「輝き」や「トキメキ」を感じたのかもしれません。そして、今の自分では素直に表現することが出来ない「想い」を託したくなったのではないでしょうか。


「でも」。
わたしはそれでも、「でも」と思ってしまうのです。

メイは言いました。「周りの声なんて、気にするな」と。
でも、その言葉は、本当は自分自身が言ってほしい言葉なのではないだろうか。そして、もしその通りなのだとしたら、その「『周り』の声」とは、本当は「『誰』の声」なのだろうか。わたしは、そう思ってしまうのです。


ねえ、メイ。キミはそれでいいのかい?
誰かに「想い」を託すだけで、本当にそれでいいのかい?

こぼれ話

「発明品の実験台がほしかった」とかじゃなくてよかった

四季「お願いがある。メイを誘ってほしい、スクールアイドルに」

第一話においてきな子の背中を押すような行動を取った理由が、「スクールアイドルが大好きなメイの背中を後押ししたかったから」というものだった四季。そういえば「好きなもの」として真っ先にメイのことを挙げるのが、若菜 四季というキャラクタでしたね。予想してしかるべきだったか……?

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はたして、今後のストーリーにおいて、この疑問に対する答え合わせが提示されるときは来るのでしょうか(まあ、100%の期待は出来ないんだよなあ……)

ラブライブ!スーパースター!! 二期第一話「ようこそLiella!へ!」感想 ~「はじめまして」からはじめよう!~ - メガネ(裏)

そして、この件については正直済まなかったと思っている。


それはそれとして、第一話で四季がきな子に告げた「自分に、正直に……」という言葉。それはもしかすると、メイにこそ伝えたかった言葉なのかもしれない。周りの目を気にして「スクールアイドルが大好き」であることをひた隠しにするメイに対して、「自分に、正直に」なってほしいと願っているのかもしれない。わたしには、そう感じられるのです。
四季は、可能性を感じたのかもしれません。自分にはメイの背中を後押しすることが出来なくても、スクールアイドルとして一歩を踏み出したきな子であれば、あるいは……、と。
もしかすると彼女もまた、きな子に「想い」を託したひとりなのかもしれない。そのように、わたしには思えてくるのです。


「先導者」であり「同行者」として

かのん「きな子ちゃん!」
きな子「あっ、かのん先輩!」
かのん「えへへ、見つけちゃった。一緒に走ろ!」

ハードな練習メニューにまるでついていけず、それでも必死に先輩たちに追いつこうとするきな子に寄り添い、優しく励まし、支え続けるかのん。その姿は「スーパースター!!」一期序盤において、過去の「敗北」に囚われて思うように歌うことが出来なかったかのんに優しく寄り添い続けた可可を思い起こさせます。

「遥か先に立って導く存在」から「共に歩み、時には背中を押す存在」へ。「先導者」から「同行者」へ。
新たな関係性を示していこうという思いを、わたしは感じました。

ラブライブ!スーパースター!!第一話「まだ名もないキモチ」感想 ~つまずきも羽根にして~ - メガネ(裏)

スクールアイドルとしての一歩を踏み出すきっかけを与えてくれた可可は、かのんにとって「自分もそうありたい」と思わせる存在なんだなと感じられ、感慨深さまで出てくるところがあるんですよね。

出番の多さとインパクトの強さは必ずしも比例しないが

夏美「日経平均全面安! これは想定外ですの!」

日経平均全面安・イズ・何。

まあ、冷静に考えれば「動画の再生数が芳しくない」的な嘆きだろうというのは想像がつくのですが(まさか、ガチで株価を気にしているわけではあるまい……?)
それはそれとして、第二話にして出番とセリフが激減してしまった夏美。そのムーブは「スーパースター!!」一期序盤における平安名すみれのそれを思い起こさせるところがある。

今回のここ好きポイント

路肩を示す矢羽根付きポール! 雪国ではお馴染みの、路肩を示す矢羽根付きポールじゃないか!




新たなるメンバ・きな子を迎え、「『ラブライブ!』優勝」という目標に向かって、さらなる加速をつけて駆け抜けるLiella!。これは、今後の展開がますます楽しみになって……、

謎の少女「澁谷……、かのん……」

誰だアイツ?!




ラブライブ!スーパースター!! 二期第一話「ようこそLiella!へ!」感想 ~「はじめまして」からはじめよう!~

皆様、こんにちは。
今年もいつの間にか半分が終わってしまいましたが、進捗いかがですか。


そんなに「ラブライブ!」が好きになったのか、フジテレビ(二ヶ月ぶり二度目)
前回の「五時間一挙放送×二日分」も相当な暴挙……、もとい大盤振舞いだったわけですが、今回の八時間一挙放送はそれに匹敵するレベルだと思うんですよね。カウントダウンライブも含めた十時間一挙放送にしなかったのは、すんでのところで理性が働いた結果なのかもしれない。


それはそれとして、「ラブライブ!スーパースター!!」二期が、ついにはじまりましたね。
新たなるメンバを迎えて、再び走り出したLiella!の「私を叶える物語」、そして「みんなで叶える物語」。ふたつの「物語」を叶えるために全力で走り抜ける彼女たちの目の前には、いったいどんな未来が待ち受けているのでしょうか。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像は注記がない限り「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!! 二期』第一話」からの引用です。



「先導者」としての、新たなる一歩

「スーパースター!!」一期において「ラブライブ!」東京大会での「敗北」を経験し、「『ラブライブ!』で優勝して、みんなで喜びを分かち合いたい」という目標を手に入れたかのんたち。「スーパースター!!」二期は、そんなかのんが、そしてLiella!が「先導者」としてさらなる躍進をとげる物語になるのでは、という予感と期待が、わたしにはあるんですよね。
それは、作中においてLiella!が「ラブライブ!」優勝候補として注目されているからだとか、彼女たちの活躍によって結ヶ丘女子高等学校が注目され、たくさんの新入生が集まったからというだけではありません。

かのん「けど、私はスクールアイドルと出会って、人生が変わった。頑張ろうって、前向きな気持ちになれたの」

偶然出会った新入生・きな子に対してスクールアイドルの魅力をまっすぐに伝えるかのん。それはきっと、かつて人前で歌うことが出来なかった過去を持ちながら、スクールアイドルとの出会いによってその「敗北」の過去を乗り越え、成長を果たした彼女だからこそ伝えることが出来る、嘘偽りのないメッセージなのでしょう。経験に裏打ちされた言葉は、それ相応の力強さと説得力を持つのです。

かのん「これがスクールアイドルの魅力。みんなと結ばれてつくる、新しい未来!」

そして、「ライブ」という、スクールアイドルにとって最大にして最強の「言葉」で、「自分には向いてなさそう」・「練習についていけなさそう」と、スクールアイドルへの一歩を踏み出せないでいるきな子の背中を後押しするかのん。
その堂々たる姿は、まさしく「先導者」と呼ぶにふさわしいと言っても過言ではありません。

千砂都「どうやら、送ってあげたほうがよさそうだね」
かのん「私が行くよ。住所、わかる?」

そういった観点から見てみると、「道に迷ったきな子を、かのんが送り届ける」というシチュエーションも、「かのんがきな子にとっての『先導者』である」ことのメタファーであるとも言えそうで、なかなか興味深いところがあるんですよね。

これからのストーリーにおいて、かのんは、そしてLiella!は「先導者」としていかなる道程を歩んでいくのでしょうか。

北の大地からの来訪者

きな子「はい、桜小路きな子と申します。都会に憧れて、やってきました!」

都会への憧れを胸に、北の大地・北海道からやってきた結ヶ丘の新入生・桜小路きな子。この事実を知ったとき、わたしは思いました。
「この女、とんでもねえヤツだ……」と。


上述ツイートの通り、北海道の学生が高校進学のために道外に出るというのは、まずやらないことなんですよね。進学の選択肢といえば地元高校か、周辺の大きな街(札幌や旭川など)の高校がほとんどで、それを飛び越えて道外、ましてや東京の高校に進学するというのは、一般的な道民感覚からするとかなりのアブノーマルと言っても過言ではないのです。少なくとも、わたしの観測範囲では聞いたことがない(わたしも、それなりに道民歴は長いので……)

きな子「変わったひとっすねえ……」

そういうわけなので、他人のことは言えねえんですよ。


それはそれとして、「都会への憧れ」だけで東京まで来てしまうきな子のバイタリティは、「スクールアイドルになりたい」という思いを胸に日本にやってきた可可やエマ、そしてある意味では、μ’sやAqoursを結成し、スクールアイドルの歴史にその名を刻むまでに至った穂乃果や千歌にも匹敵するのかもしれません。

確かに、今のきな子は夏美や四季の後押しがなければLiella!が待つ屋上にたどり着くことはなく、かのんたちの後押しがなければスクールアイドルへの一歩を踏み出すこともなかったかもしれません。しかし、彼女が持つバイタリティと、それに秘められたポテンシャルは相当なものであるはず。「一歩を踏み出す」資質は、彼女にもきっと備わっているはずなのです。
今後のストーリーにおける彼女の活躍と成長に、乞うご期待といったところなんですよね。

こぼれ話

この瞬間(とき)目一杯に、夢見て精一杯さ!

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第一話にて早速披露された新OP「WE WILL!!」。「さあ戦うんだ いま」・「絶対負けない 勝つんだ!」・「もっと強くなるよ 諦めたくないや」といったアグレッシブな歌詞から、Liella!が「ラブライブ!」に懸ける強い「想い」=「WILL」が伝わってくるように思えてきます。
そして、OP映像において注目されるのは、「水たまりに覆われた屋上」=「雨上がりの屋上」がステージになっているということではないでしょうか。「ラブライブ!」シリーズにおいて、「雨」は「トラブルや困難の象徴」として描かれることが多いように思うんですよね(「無印」一期第十一話や「サンシャイン!!」一期第八話、「アニメニジガク」一期第十三話あたりがその代表例でしょうか)。「雨上がりの屋上」は、これからのLiella!に待ち受ける数多くの困難と、それを乗り越えて走り抜ける彼女たちの勇姿が予感させられ、今後のストーリーへの期待も高まってくるのです。


可可の衣装デザインについては、「始まりは君の空」と「START‼︎ True dreams」で、それぞれベクトルがかなり違う衣装がお出しされたこともあって、引出しが広いという印象があります。

ラブライブ!スーパースター!!第十話「チェケラッ!!」感想 ~そんな気持ちは、ここで最後に~ - メガネ(裏)

そして、可可の衣装デザインのレパートリーの広さには、またしても驚かされたなといったところもあるんですよね。さすが、「衣装作りにも才能を発揮する」と評されるだけのことはある。

その胸中や、いかに

四季「自分に、正直に……」

スクールアイドルへの一歩を踏み出すことをためらうきな子の背中を後押しするような行動を見せた四季(あるいは、それは結果論なのかもしれませんが……)。とは言え、彼女がなぜそのような行動を起こしたのかということについては判断材料があまりにも少なすぎて、第一話における最大の疑問点と言ってもいいのではないかと思うところはあるんですよね。
はたして、今後のストーリーにおいて、この疑問に対する答え合わせが提示されるときは来るのでしょうか(まあ、100%の期待は出来ないんだよなあ……)

「設定開示がスムーズになるから」というのはあると思う

きな子「優勝候補?!」
メイ「この学校に来て、そんなことも知らなかったのか?」

ムーブが、RPG序盤におけるチュートリアルキャラのそれ。
それはそれとして、(PVや先行カットで、ある程度予測がつく部分があったとは言っても)メイの「実はスクールアイドルが大好き」というパーソナリティを、第一話からここまで全開にして提示してくるとは……、と思ったところはあります。

メイ「なーに見てんだッ!」
きな子「えっ、あっ……、すまないっす!」

そういうわけなので、凄んだところでもう遅いんですよね。

じつは東京出身じゃなかったりするのだろうか

夏美「だーから、夏美でいいって」

キミ、なんか訛ってない?

夏美「でも、やってもないのに、向いているかどうかなんてわからないでしょ?」
きな子「……!」

それはそれとして、夏美のこのセリフからは「サンシャイン!!」一期第四話や「アニメニジガク」一期第五話に通ずる精神性を感じるんですよね。

公式トレス疑惑

きな子「これが東京……」

可可「チョコワタルシミ……」
(「ラブライブ!スーパースター!!」一期第一話より)

完全に一致。

今回のここ好きポイント

恋「まずは生徒会長の私が……!」

皆様、御覧下さい。権力の濫用です。




「先導者」として、新たなる一歩を歩みはじめたかのんたち。そして、新たなLiella!のメンバとして、未知なる一歩を歩みはじめるであろうきな子たち。
彼女たちが紡ぐ「物語」は、これからどのように彩られ、輝きを放っていくのでしょうか。

今後の展開にも、大いに期待ですね。