ラブライブ!スーパースター!!第六話「夢見ていた」感想 ~いつもそばにいた、キミのまなざしが~

皆様、こんにちは。
最近めっきり涼しくなってきましたが、進捗いかがですか。


OP&ED連動オンラインリリースイベント、大変素晴らしかったですね。パフォーマンス込みだと印象が変わる曲があったり、「Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!」と「Dreaming Energy」まで披露してくれるという嬉しいサプライズもあったりと、これぞライブイベントの醍醐味という気持ちになりましたね。


それはそれとして、個人的なハイライトはこれだったんですけどね。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』第六話」からの引用です。



だって私のヒーロー。

千砂都「うっ……、ううっ……」

前回のラブラ……、あれ?

いつもの前振りなしではじまったのは、かつての千砂都とかのんを描いたシーンでした。

かのん「ちぃちゃんをいじめちゃダメっ!」

気弱で、泣き虫で、いじめられっ子だった幼き日の千砂都。そんな彼女をかばい、助けていたのは、かのんでした。冒頭のような光景は一度や二度ではなかったであろうというのは、容易に想像がつくところです。弱虫な自分をいつも助けてくれて、大好きな歌を一生懸命頑張っているかのん。そんなかのんは、千砂都にとってまさしくヒーロー、あるいはこのブログでよく使われるワードで置き換えるなら「先導者」と言える存在だったのではないでしょうか。
しかし、千砂都は「ただ『先導者』に助けられるだけの自分」という現状を良しとしませんでした。「いつか、かのんを助けられるようになりたい」と、そう願ったのです。

千砂都「かのんちゃんの力になれないから」
恋「えっ?」
千砂都「それなら、ここでダンスを続けてたって意味ないもん」

第五話において、視聴者の間に波紋を呼んだ退学届の真相についても語られることとなりました。
それは、幼き日の千砂都に芽生えた願いと密接に関係していました。千砂都はかのんが出来ないこと、つまりダンスが出来るようになることで、かのんの助けになりたかった。それを自分ひとりの力でなしとげることで、自信を手に入れたかった。自信を手に入れることで、かのんの横に立つのにふさわしい自分になりたかった。
しかし、自分の実力がダンス大会で優勝出来ないようなものであったなら、かのんを助けられるような自分になれたとは言えない。かのんの横に立てるような自分になれたとは、とても言えない。
さらに、「かのんの横に立つ」ことは「かのんと一緒にスクールアイドルをやる」ことにも結びつきます。第五話でSunny Passionが指摘した通り、かのんと一緒にスクールアイドルをやれない自分は、本当の意味で彼女の助けになれるとは言えない。もしそうなってしまうのであれば、自分はかのんのそばから去るべきである。千砂都はそう考えたのでしょう。


千砂都の行動原理は「かのんを助けられる私になりたい」・「かのんの横に立つのにふさわしい私になりたい」という願いからくるものでした。
しかし、わたしには思えてしまうのです。それはまるで、自分で自分を縛り付ける「呪い」のようだと。

嵐 千砂都:ライジング、あるいは私があなたの「先導者」であったということについて

ダンス大会当日。
ひとりで大会に挑む千砂都。当然です。それが自分で決めた約束なのだから。それに仲間たちは、ライブのために遠く離れた神津島にいる。会場まで来られるはずがありません。

そのはずでした。

かのん「あははっ、来ちゃった」

しかし、かのんは来たのです。
まるで、千砂都を助けに来たあの日のように。


練習帰りの千砂都との電話で、彼女の様子に違和感を覚えたかのんは、神津島を飛び出し千砂都のもとまで駆けつけたのです。何という行動力。

かのんは語ります。
千砂都のことを、いつだって尊敬しているということを。「夢中になれるものを持てるように頑張る」と宣言した千砂都を、かっこいいと思ったことを。千砂都がかのんに助けられてきたように、かのんも千砂都に助けられてきたということを。

千砂都は、今の自分はかのんの横に立つにはふさわしくないと思っていました。かのんの助けに頼らず自分ひとりの力で何かを成し遂げた自分でないと、そうやって自信を持てるようになった自分でないと、かのんの助けになることは出来ない。千砂都はそう思い込んでいました。
しかし、それは思い違いだったのです。
かのんが千砂都にとっての「先導者」であったのと同じように、かのんにとっても千砂都は「先導者」でした。千砂都は今の自分自身のままでも、十分にかのんの「先導者」にふさわしい存在だったのです。


ふたりの間にあったのは、けして一方通行の願いではありませんでした。そこにあったのは、お互いに思いあい、尊敬しあい、高め合うふたつの気持ち。それに気付いたとき、千砂都は「呪い」から解き放たれたのではないのでしょうか。
千砂都にとっての「新しい『私』」が、ここからはじまるのです。

重なる思い、常夏の陽光を浴びて

千砂都をメンバに加え、四人となった結ヶ丘スクールアイドル同好会。南の島のステージで披露するのは、満を持して完成した新曲「常夏☆サンシャイン」です。


www.youtube.com

太陽も嫉妬しちゃう パッションなYou&Me

『常夏☆サンシャイン』/作詞:宮嶋淳子/作曲・編曲:EFFY/歌:澁谷かのん(CV.伊達さゆり)、唐 可可(CV.Liyuu)、嵐 千砂都(CV.岬 なこ)、平安名すみれ(CV.ペイトン尚未)

ところで、皆様は「ラブライブ!」という作品において、「太陽」というワードから何を連想するでしょうか。その手に太陽を掴み取ろうとした高坂 穂乃果や高海 千歌? 太陽が輝く街・沼津から「サンシャイン!!」のフレーズを響かせるAqours? 「太陽になりたいよ」と高らかに歌い上げる宮下 愛? みんなの心をポカポカにしたいと夢見るエマ・ヴェルデ? それとも、南の島が生んだ新世代の強豪・Sunny Passion? 楽曲で挙げるなら、スクールアイドルの素晴らしさをこれでもかと伝えてくれる名曲「SUNNY DAY SONG」が真っ先に挙げられるでしょうか。

わたしが「常夏☆サンシャイン」で歌われる「太陽」というワードから連想したのは、「スクールアイドルそのもの」でした。上で挙げたスクールアイドルも、それ以外のスクールアイドルたちも、全部ひとつにまとめた「スクールアイドルそのもの」、それが「太陽」なのであると。その「太陽」が嫉妬してしまうくらいに、「You&Me」(すなわち、かのんたち)は情熱的に輝いてみせる。この歌詞は、そのような宣言であるように思えたのです。
「常夏☆サンシャイン」は、かのんたちの高らかな宣戦布告。過去・現在・未来、すべてのスクールアイドルに対する、色鮮やかな挑戦状。そのように、わたしには感じられたのです。

自分たちで作り上げた歌や振付を、自分たちの言葉として昇華させることで、自分たちの気持ちや思いを伝える。そのために、スクールアイドルはステージに立つのでしょう。

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ここからは、多くの想像が含まれる話となります。
第五話において、千砂都がかのんに託した「常夏☆サンシャイン」の振付は、かのん・可可・すみれの三人でパフォーマンスすることを想定していたものと思われます。そこに千砂都が加わることで、振付や楽曲のパート分けに大幅な変更が行われることになったはずです。それは千砂都やかのんだけの手で出来ることではありません。ライブまでのわずかな時間の中で、四人は協力しあいながら「常夏☆サンシャイン」を作り上げていったのでしょう。その過程が、楽曲や振付を「自分たちの言葉として昇華」していくことに繋がっていったのではないでしょうか。

悠奈「パー!」
摩央「これが、四人の力……!」

そして、それを感じたからこそ、Sunny Passionのふたりは感嘆の声を上げたのではないかと思えるのです。

こぼれ話

みんなと一緒にスクールアイドルをやるということ

悠奈「学校のみんなと作ってるんだー」
かのん「学校のみんなと……」

また、「原宿という大都会出身の、まだ無名のスクールアイドル」なLiella!に対し、「神津島という離島出身の、全国トップクラスのスクールアイドル」なSunny Passionという対比がなかなか面白いところですね。

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またひとつ、かのんたちとSunny Passionの対比関係が見えてきたなと思うところがあります。
Sunny Passionは学校のみんながライブに協力してくれる。その一方で、かのんたちの学校ではスクールアイドル活動に理解を示してくれないひとがいる。
この対比関係もまた、「結ヶ丘における普通科・音楽科間におけるヒエラルキ」に関わってきそうに思えるんですよね。

メガネっ娘もいいー!(フゥー!)

かのん「おはようございまーす!」

かのんには、毎話メガネっ娘でいてほしい。
何よりも純粋な気持ちで、わたしはそう思うのです。

「メシマズ疑惑」が唐 可可でやってくる

可可「うう……、失敗しマシタ……」

疑惑だから……。まだ、疑惑だから……。今回はたまたまコレがアレでソレだっただけかもしれないから……!
一方、すみれは見事な料理の腕前を披露。「矢澤枠」って料理上手なんですね。……善子、お前はもうちょっと頑張れ。

やはり、生徒会長って呪われているのでは……?

千砂都「ん?」
恋「いえ……」

恋にぽんこつの片鱗が見えてきたのは、気のせいでしょうか……。
それはそれとして、以前までと比較すると随分とっつきやすそうなふいんき(なぜか変換出来ない)が出ていた恋。相手が同じ音楽科の千砂都だったからなのか、話題としてスクールアイドルが絡むことがあまりなかったからなのか、あるいは一話丸々出番がなかったせいで毒気が抜けてしまったのか。

今回のここ好きポイント

平安名、そのポーズは何なんだ。





公式サイドがこれでもかというほどハードルを上げてくるので、いったい何をお出ししてくるのか……、と一周回って戦々恐々とする気持ちもありました。
しかし、いざフタを開けてみれば公式サイドが自らハードルを上げてくるのも納得の展開。参りましたと言わざるを得ないんですよね。

さて、次回は……、

恋「次回、『決戦!生徒会長選』」

そういえば、第二話で生徒会は暫定的なものだと語られていたような。
それはそれとして、かのんも可可も年頃の女の子なんだから、顔芸をカマさせるのはほどほどにして差し上げろ。