ラブライブ!スーパースター!!第九話「君たちの名は?」感想 ~心に持ってたよ、Dreaming Energy!~

皆様、こんにちは。
今年も残り百日を切りましたが、進捗いかがですか。


これは、今度こそ「『アニメニジガク』二期のスケジュール決定」に花京院の魂を賭けるべきなのでしょうか……。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像は注記がない限り「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』第九話」からの引用です。



目指せ、大舞台!

恋が加入し、ついに五人となった結ヶ丘スクールアイドル部。そんな彼女たちのもとに、ある知らせが舞い込みます。

可可「『ラブライブ!』……、『ラブライブ!』ですぅー!」

第五話でも話題に挙がっていた、スクールアイドルの頂点を決める大会「ラブライブ!」。そのエントリーがはじまったのです。なんとなく「無印」一期七話を思い起こさせる流れですね。
ラブライブ!」出場によって得られるステータスは相当なものらしく、学校への入学希望者が激増したり、廃校のピンチから脱した事例まであるとか……。

しかし、思い出してみてほしいのです。わたしたちが知る「ラブライブ!」において、スクールアイドルが学校を救ったという明確な事実が、今までにあったのかということを。

ラブライブ!スーパースター!!第八話「結ばれる想い」感想 ~五線譜の上、結び合わせた未来は~ - メガネ(裏)

前回の記事でこんなことを言ったわたしが、ピエロになってしまった件について。


それはそれとして、かのんたちも出場に前向きな様子。大会出場によって学校の名が知れ渡ることになれば、恋が掲げる「必ずなしとげる義務」を達成することにも繋がるでしょうし、もちろんスクールアイドルをやるからには大舞台に立ちたいという意気込みもあるのでしょうし。

「無印」一期では「ラブライブ!」不参加、「サンシャイン!!」一期では「ラブライブ!」予選参加ということで、本作はどうなるのか予測がつかない部分がありましたが、こう来たか……、という気持ちが出てきます。
しかし、このまま素直に「ラブライブ!」に挑まず(あるいは、挑むことが出来ず)、また違った波乱が起こる可能性もあるんですよね。正直な話をすると、そうなってほしい気持ちもゼロではない。まだまだ、これからの展開から目を離すことが出来ないのです。


さて、かのんたちは「ラブライブ!」にエントリーしようとするのですが、彼女たちはこのタイミングで重大なことに気づきます。

そう、グループ名が決まっていないのです。

Der Kongreß tanzt

今までそれが必要となる機会がほとんどなかったとは言え、グループ名がまだないというのは相当の珍事態(μ'sもAqoursも、もっと早い段階でグループ名が決まっていましたからね……)。さっそくグループ名を考えるかのんたちですが、意見は一向にまとまる気配を見せません。それならばと校内で公募をかけますが、これでも意見は全く集まらず。Sunny Passionとの会話からヒントを得て動画配信で意見を募ろうともしますが、こちらでも全然足並みが揃わず、もはやグループ名を考えるどころの騒ぎではありません。
それのみならず、かのんと恋の勘違いにより「ラブライブ!」出場のための新曲が全く完成していないことまで判明。さすがに、ここまで来てしまうと「足並みが揃ってないってレベルじゃないでしょ! 最初に認識のすり合わせをしなさい! 身から出たサビだぞ!!」とツッコみたくなる気持ちが出てきますね……。

かのん「難しいんだよ。この五人ってバラバラだし、最初から何か目的を持って集まったわけでもないし……」

それはそれとして、かのんのこの指摘も、もっともな部分があるんですよね。
個性強めなメンバが揃っているという点については「ラブライブ!」シリーズの伝統としてありますが、そもそもの話として、彼女たちがスクールアイドルをはじめるきっかけからしてバラバラなところがあります。かのんは「スクールアイドルに『歌える場所』を見出した」から。可可は「Sunny Passionをはじめとするスクールアイドルへの憧れ」から。すみれは「ステージのセンターで輝きたい」から。千砂都は「かのんと同じ目標に向かって頑張り、彼女の助けになりたい」から。そして、恋は「結ヶ丘を盛り上げ、この街で一番の高校にしたい」から。見事にバラバラなんですよね。
そして、わたしの中では、このスタンスの違いがかのんたちの間で決定的な亀裂や不和を生むのでは……、と危惧していた部分があったんですよね。特に、スクールアイドルを実質的に「目的」として捉えている可可と、実質的に「手段」として捉えている他の四人では、方向性にかなりの違いがあると言えますし。
しかし今回の話で、思っていた以上にマイルドな形でこの話題がお出しされたので、ひとまずは安心出来るかな、といったところですね。

我が名は「Liella!」。我々は「結ぶもの」であるがゆえに。

恋の邸宅にカンヅメになってまで悪戦苦闘するも、なかなかグループ名や新曲が決定しないかのんたち。悪戦苦闘しているのはかのんだけという気もしますが、ここでは触れないことにしましょう。

おまけに、ナナミたちからもパブリックイメージの薄さを指摘されてしまいます。自分たちでも薄々気づいていたことではあったようですが、やはり客観的に指摘されると堪える部分はありますよね。

ヤエ「あなたたちって、はじまったばかりというか、まだ真っ白って言うのかなあ」
かのん「あっ……」

しかし、かのんはこの言葉から何か感じ取ったものがある様子。ひとり、練習を抜けると、そのまま一気に新曲の歌詞を書き上げてしまうのです。第二話のときもそうでしたけど、一度スイッチが入ったときのかのんの爆発力、眼を見張るものがありますよね。

さらにかのんはその勢いのまま、グループ名まで考案してきました。
かのんがナナミたちとの会話からインスピレーションを得て考え出したグループ名。それこそが、わたしたちにとってはお馴染みとなった、あの名前。

そう、「Liella!」です。


その名は「結ぶ」を意味するフランス語「Lier」と「(内面的な)輝き」を意味する「Brillante」をあわせたもの。

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かつて、結ヶ丘の創設者・葉月 花は「みんなが音楽で結ばれること」を望み、「結」をその学校名に冠しました。
彼女が遺したノートを通じてその想いに触れ、「みんなのために歌いたい」という気持ちをより一層強くしたかのんが同じ言葉にたどり着き、スクールアイドルとしての名前にその言葉を選ぶのは、必然だと思えてきますね。

「輝き」の中に秘められた「可能性」

「Liella!」には、もうひとつの大切な言葉が込められています。「Brillante」、つまり「輝き」です。

かのん「スクールアイドルを通して、いろんな色の光で結ばれていくといいなあって思ったんだ」

かのん「赤だったり、青だったり、緑だったり……。繋がったり結ばれていく中で、私たち自身想像しないような、いろんな色の光になっていく。それはまだ何色でもない私たちだから出来ること」

今回のエピソードにおいては、「輝き」というワードが直接的に言及されることはありませんでした。しかし、かのんが語る言葉から「輝き」に込められた想いを感じ取れるように思うのです。


教室での会話で、ヤエはかのんたちを「真っ白」と評しました。「真っ白」な「輝き」。それはつまり、ありとあらゆる色の光を内包しているということ。その「真っ白」な「輝き」は、かのんたち五人が持つ色も併せ持っています。バラバラな彼女たちが持つバラバラな色が重なり合うことで、新しい色が生まれていく。それだけでなく、学校のみんなやSunny Passionに代表されるスクールアイドルたち、そしてスクールアイドルを応援するファンとの結びつきによって、その光は無限に変化し、どんな色にでもなることが出来る。
さらに言うなら、かのんが挙げた「赤・青・緑」が、いわゆる「光の三原色」であることも、きっと偶然ではないと思うのです。

まだ何色でもない、「真っ白」な「輝き」であること。それはきっと、ありとあらゆる色を宿し、ありとあらゆる色を放つことが出来る無限の可能性を持つということ。
「Liella!」が持つ「輝き」とは、そんな「可能性」の象徴なのかもしれません。

こぼれ話

制服が違うってことに気づくタイミングが明らかにアレだと思うけど、もうツッコまないからね

すみれ「まさか、あんたまで普通科に移ってこようって?」
恋「いえ、科によって制服で区別するのではなく、自由に選べるようにしたほうがいいと、理事長から提案がありまして」

しれっと普通科の制服を着ている葉月 恋・イズ・何?!

ラブライブ!スーパースター!!第八話「結ばれる想い」感想 ~五線譜の上、結び合わせた未来は~ - メガネ(裏)

普通科の制服を着ている恋」の答え合わせです。

考えうる限り、最も穏やかな答えがお出しされたなという気持ちがあるんですよね。ここで「普通科に転科しました!」という答えが出てくると「ブルータス、お前もか!」ってなりますし、「普通科と音楽科の制服が統一されることになりました!」だと「親御さんの負担を考えてあげて?!」ってなるところでしたし。
それはそれとして、「何で最初からそうしなかったの……?」っていう気持ちが出てくるのも、また事実なわけで。メタ的な理由として「普通科と音楽科の対立関係を視覚的にわかりやすくする」あたりがあるのだろうという推測は出来るのですが……。

「下から生えてくる」が唐 可可でやってくる

可可「話が彼方にそれています!」

ブルータス、お前もか!
下から生えてくるのは、千砂都の専売特許ではなかったのか?!

(「にじよんシーズン2 #103『誕生日(彼方)1』」より)
『にじよん』#103、#104更新! | 電撃G's magazine.com – ラブライブ!など人気のキャラクター専門誌

あるいは、この辺りからのオマージュかもしれないですね。「彼方」なだけに。

久しぶりの「仕込み」な気がする

恋「わ、わたくしは、特には……。その……、あまり趣旨を理解していないもので……」

恋のメモの中に「綺羅星」の名前が。
例のごとく、……と言うにはちょっと期間が空いたような気がしますが、グループ名決選投票にて最終候補となっていたグループ名ですね。

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それはそれとして、葉月 恋さんのネーミングセンス、どこぞのTCGアニメ主人公のそれなのでは……(「絶世時空」とか、マジでそれっぽいじゃん)


今回のここ好きポイント

恋「そう言えば、わたくしたちって……、」
すみれ「なんてグループ名なの……?」

毎回凝ったエピソードタイトルの出し方でお馴染みの「スーパースター!!」ですが、今回のは特に「問題がのしかかってる感」が出ていて好き。



かつて、あるひとは歌いました。「名前、それは燃える生命(いのち)」と。名前とは、ただ単に自他を識別するための符号ではなく、その存在に確固たるパーソナリティを確立させるための、重要なファクタなのです。
そんな「生命」を手に入れたかのんたちは、「ラブライブ!」出場に向けて「次なる一歩」を踏み出すのです。


なんてこった……。何がどうなって、この「次なる一歩」に繋がっていくのか、展開が全く読めない……。

どうなる、次回。