ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第一話「新しいトキメキ」感想 ~「トキメキを受け取ったもの」たちが出会うとき~

皆様、こんにちは。
耳をすまさなくとも春の足音がしっかりと聞こえてきそうな今日この頃ですが、進捗いかがですか。


さて、先日開催された「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 2nd LoveLive! What a Wonderful Dream!!」名古屋公演にて、さらなるライブ開催が発表されました。
……ちょっと待って。この日程、エグくない?
「First LoveLive! Tour」での十都市二十公演(+二公演)をほぼ毎週のペースで行っていたあのときほどではないにせよ、これはこれでなかなか濃厚なスケジュール。
さすがに現地参戦は無理なので、どこかしらで配信参加したいところですけど、はてさて。


それはそれとして、ついにはじまりましたね。「アニメニジガク」二期。
本来であればアニメ化の予定すらなかった「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」。それが今では、アニメ二期が放映されるまでになりました。わたしが(あるいは、わたしたちが)はじめてニジガクと出会った頃からは、想像もつかなかった未来が目の前にあるのです。わたしたちがあのとき彼女たちに託し、そして受け取った「トキメキ」を、再び彼女たちに手渡すときが来たのです。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期』第一話」からの引用です。



圧倒的「女王」感!

「アニメニジガク」二期において誰もが注目するであろうポイントと言えば、やはり「R3BIRTH」の三人、特にランジュがいかなるムーブを見せてくれるかということでしょう。

そのムーブは想像を遥かに上回るほどの「強者」……、いや、「女王」と言うべきものでした。


オープンキャンパスにて第二回スクールアイドルフェスティバルのPVを放映し、その開催を大々的にアピールしようと考えた、侑たちスクールアイドル同好会。しかし、当日のスクリーンに映し出されたのは……、

かすみ「な、なななななな、なんですか、これはー!!」

まさかの没データ。
いや、わたしたち視聴者からしたらフラグはあちこちに見え隠れしていたわけなのですが、それはそれ、これはこれ。

想定外の事態に慌てふためき、その対応に追われる侑たち。
その最中、颯爽と姿を現したのは……、

ランジュ「無問題ラ! 任せなさい!」

そう、ランジュです。

「アニメニジガク」一期にて開催された第一回スクールアイドルフェスティバルを観て「トキメキ」を受け取り、自身もスクールアイドルとなるために、はるばる香港からやってきたランジュ。彼女は「伝説のはじまりを、心に刻みなさい!」と高らかに宣言し、鮮烈な「デビューステージ」を披露します。
まさか、「アニメニジガク」二期におけるライブ披露のトップバッターが、ランジュになるとは……!


www.youtube.com

そびえ立つアクアリウムをバックに、圧倒的なライブパフォーマンスを見せるランジュ。
わたしは、彼女のパフォーマンスを観て、あるスクールアイドルのステージを想起させられました。


www.youtube.com

それは、「アニメニジガク」一期第三話で披露された、せつ菜のライブです。

ランジュのライブは、バックにそびえ立つアクアリウムだけでなく、挿入されるカットインにおいても「水」を想起させるシーンが数多く含まれています。それはあたかも、巨大プールを眼前にしたパフォーマンスを行い、自らも水中深くへと「DIVE!」したせつ菜のライブのようです。また、「多くの観衆を前にして」、その観衆よりも「(物理的に)高いステージで行われる」パフォーマンスであるという点についても、せつ菜のライブとの類似性を感じさせます。
その一方で「太陽光が降り注ぐ青空の下でパフォーマンスするせつ菜」と「人工光に照らされた暗闇の中でパフォーマンスするランジュ」とで対になっているのが、なかなか興味深いところなんですよね。

侑たちスクールアイドル同好会にとって「先導者」とも言える存在である、ニジガク屈指の実力者・優木せつ菜。
鐘 嵐珠というスクールアイドルは、その優木せつ菜にも匹敵するポテンシャルを持つ「女王」であると知らしめる。これは、そんなライブパフォーマンスであったように、わたしには感じられたのです。


さて、ランジュの活躍によってトラブルから脱出した侑たちは、ランジュに対して感謝と称賛の言葉を浴びせます。
しかし、そんな彼女たちに対して、ランジュは衝撃的な言葉を口にしました。

我らが「主人公」も、負けちゃいない!

ランジュ「入部は止めるわ。」
歩夢「……えっ?」
ランジュ「あなたたちとは、考え方が違うみたいだから」

「アイドルがファンに夢を与えるのは素晴らしいことよ。でも、与えるだけでいい。誰かに支えられなきゃパフォーマンスも出来ないアイドルなんて、情けないわ」と語るランジュ。
その価値観は、スクールアイドルとファンとの繋がりを大切にするニジガクのみんな、もとい今までわたしたちが出会ってきた数多くのスクールアイドルたちと真っ向から衝突するものと言ってもいいかもしれません。

「みんなのために」というLiellaの「想い」が学校のみんなを動かし、「Liella!のために」という学校のみんなの「想い」がまた、Liella!を動かす。双方向性の「想い」によって、彼女たちはひとつに結ばれるのです。

ラブライブ!スーパースター!!第十二話「Song for All」感想 ~今、動きはじめた僕らの物語~ - メガネ(裏)


さらにランジュは、侑に対して問いかけます。

ランジュ「もう一度聞くわ、侑。あなたはどうして同好会にいるの?」


スクールアイドルでない侑は、同好会にいるべきではない。それがランジュの考えなのでしょう。
しかし、侑はランジュに対してひるむことなく語ります。

侑「でも、やりたいことをやりたいって気持ちだったら、私だって負けてないつもり!」

侑「私だって私のやり方で、この同好会で、夢を叶えたいって思っている!」

「アニメニジガク」一期において「音楽をやりたい」という「夢」を手に入れ、今まさにその「夢」に向かって歩みを進めている侑。しかし、彼女の「夢」はそれだけではないはず。「大好き」なスクールアイドルを、一番近くで応援すること。それもまた、彼女にとっての「夢」であり続けているのではないでしょうか。
わたしたちは見てきたはずです。これまでの「アニメニジガク」において、彼女の心がいかに「大好き」で満ちあふれ、そしてそれを余すことなく爆発させてきたのかを。
そんなあふれんばかりの「大好き」を、そして「夢」を持っている侑だからこそ、ランジュに対しても一歩も引くことなく、ノータイムレスポンスで、そして真正面からその思いを語ることが出来る。そのように、わたしには思えるのです。

相対するふたつの価値観

「スクールアイドルと、それを応援してくれるファンとの繋がりを大切にしたい」スクールアイドル同好会と、「ファンに対して夢を与え続ける、圧倒的存在でありたい」ランジュ。このようなスクールアイドルとしてのスタンスの違いから、(現時点においては)両者は袂を分かつことになりました。

ランジュは言いました。「アタシはアタシの正しさを、スクールアイドルフェスティバルまでに証明してみせるわ」と。
しかし、これらの価値観を「正しい・正しくない」の二元論として語ることについては、なんとなく渋い顔が出てきてしまうところが、わたしにはあるんですよね。
侑は言いました。「スクールアイドルフェスティバルは、『好き』っていう気持ちさえあれば、誰でも参加出来るようなお祭りにしたいんだ」・「いろんなひとたちが、『好き』を伝えあえればいいなって」と。
スクールアイドルも、そのファンも、そのスタイルや表現方法は千差万別であれど、根源にあるのは「大好き」というプリミティブな気持ち。根源が一緒であるからこそ、ランジュの価値観が正しいとか、侑たちの価値観が正しくないとか、そういったものは本来的に存在しないのではないかと、わたしは感じるのです。
いろんなかたちの、ありとあらゆる「大好き」が受け入れられる場所。ニジガクのみんなが理想とするスクールアイドルは、そのようなものだったのではないのでしょうか。だからこそ彼女たちは、それぞれが違うかたちの「大好き」を表現するために、ソロアイドルとして歩みはじめたのです。
そして、逆もまた真なり。
ランジュの価値観もまた、否定されることがあってはならないと、わたしは思います。ランジュがその心に抱く「スクールアイドルへの『大好き』」だって、本来的には独りよがりなものでないはずなのです。あふれんばかりの「大好き」を、自由に、素直に、思うがままに表現したい。そんな気持ちは、他のスクールアイドルと何ら変わりはないのですから。たとえ彼女の価値観が、今まで我々が出会ってきたスクールアイドルと真っ向から衝突するようなものであったとしても、それが「正しくない」とされることはあってほしくないなと、わたしは感じているのです。

相対するふたつの価値観のぶつかりあいが、今後のストーリーにおいてどのような着地点を見せるのか。これからの展開が待たれますね。

こぼれ話

これもまた、ひとつの伝統……?

愛「頑張れー、かすみん!」
彼方「講堂で歌えるかの、瀬戸際だよー?」
かすみ「プレッシャーかけないで下さいよう!」

果林「……そう、当日はライブ出来ないのね」
愛・彼方「面目ない……」
かすみ「くやしーですう!」

「矢澤枠」のクジ運が悪いのは 「無印」・「サンシャイン!!」でも見受けられたところですね。これはちょっと覚悟しておいたほうが良いんじゃないですかね、平安名すみれさん……?


それはそれとして、

かすみ「でもなんだか、行けそうな気が、してきましたぁー!」

我が魔王……?!
まさかの、我が魔王……!?

今日もかすみんが可愛い

かすみ「でも、その前に……」

かすみ「ダメですっ! 三人揃ったら、また『このシーンが気になる』ってなっちゃうに決まってますっ!」

かすみんがたくさんうごいていてとてもかわいかったのでよかったです。

今回のここ好きポイント

実はPVが公開されたときから、このシーンの栞子の背中が大好きなんですよね。
中途半端に挙げられた右手、「また、止められなかった……」とでもいうかのような哀愁に満ちた背中(十六歳の女子高生が醸し出していい雰囲気ではない……!)
きっと彼女は、今までもランジュにさんざん振り回されてきたんだろうし、これからも思う存分振り回されるんだろうなと思うと、涙を禁じ得ないのです。

今回のここ好きポイント その2

その直後のシーン。
侑がこんな表情をしているのって珍しい気がする。




第一話から、想像以上に波乱の展開を見せてくれた「アニメニジガク」二期。これは次回からのストーリーにも期待が持てるところです。


それはそれとして、この特典、めちゃくちゃネタバレになってない?!
結局、三人ともスクールアイドル同好会に入るんじゃねーか! いや、わかっていたことだけど!!