ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第八話「虹が始まる場所」感想 ~ワクワク叶える物語、どうなるかは僕ら次第~

皆様、こんにちは。
降り注ぐ陽光が着々と初夏の準備を整えつつある今日この頃ですが、進捗いかがですか。


そんなに「ラブライブ!」が好きになったのか、フジテレビ。

今までも月イチのペースで「ラブライブ!」関連番組を放送していたフジテレビTWOが、ここに来て合計十時間に及ぶ一挙放送を行うという暴挙……、もとい大盤振舞いに出ました。せめて、三日間に分けたほうが良かったんと違うか。
まあ、(ある程度の編集込みとは言え)「ニジガク」ユニットライブやカウントダウンライブを放送してくれるのは、なかなかありがたいものなのです。
個人的には、

  • DiverDivaユニットライブでの「めっちゃGoing!!」
  • QU4RTZユニットライブでの「未来ハーモニー」
  • A・ZU・NAユニットライブでの「HAPPY NYAN!Days」
  • R3BIRTHユニットライブでの「全速ドリーマー」

あたりが、特に印象に残ったなといったところがあります。「未来ハーモニー」以外については、第二義的な面白さ込みというのは否定出来ませんが……。


さらには、Liella!が出演した「超次元音楽祭」まで一挙放送するものだから、「誰がそこまでやれと言った……?!」の一言しか出てこない。
しかし、放送してくれるとなるとなんやかんやで全部観てしまうのが、我ながら上手いことノセられているなと思ってしまうところです。笑わば笑え。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像は注記がない限り「TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期』第八話」からの引用です。



その「孤高」は、何がために

ランジュ「お膳立てなんて、最初から期待してないわ。前に言ったでしょ、アタシは与えるだけでいいって。アタシはアタシを知らしめるために、ステージに上がるんだから。アタシには、そのやり方しかないの」

いよいよ迎えた第二回スクールアイドルフェスティバル最終日。そのステージでのオープニングアクトを任されたのが、ランジュでした。
前座として用意された「レインボージェットスライダー」がゴールに到着してくれないというアクシデントにこそ見舞われましたが、ランジュはそれを意に介することなく、「Queendom」で会場の注目を瞬く間に我が物とするのです。その圧倒的なパフォーマンスは、第一話での「デビューステージ」を思い起こさせます。そして、そのライブパフォーマンスがアカペラスタートによるものというのも、彼女の自信を物語っているように思えてきます。

レーンに引っかかって進めなくなっていた「レインボージェットスライダー」もゴールへとたどり着き、ついにスクールアイドルフェスティバル最終日のステージが開幕されたのです。まるで「女王」たるランジュが、自らのパフォーマンスによってその道を「切り開」き「手に入れてみせ」たかのように。
今回のエピソードにおいては、ランジュのライブパフォーマンスのすべてが、わたしたちに対して披露されたわけではありません。しかし、その断片的な描写からでも、第一話でわたしたちが見たように(あるいは、そのとき以上に)、ランジュが圧倒的な実力を持つスクールアイドルであるということを実感させてくれます。


しかし、わたしはどうしても気になってしまうのです。
「アタシはアタシを知らしめるために、ステージに上がるんだから」という、彼女の言葉が。

ランジュ「良かったわよ」

スクールアイドルフェスティバル開催後の打ち上げに現れたランジュ。彼女は、侑たちスクールアイドル同好会に対してこう告げます。

ランジュ「あなたたちも、見事に正しさを証明してみせた。アタシは100%やりきったけど、同好会はそれ以上だった」

またしても出てきたのです。「正しさ」、そして「証明」というワードが。

ランジュ「アタシはアタシの正しさを、スクールアイドルフェスティバルまでに証明してみせるわ」
(「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期」第一話より)

ランジュ「でも、アタシはこれからも同好会とは違うソロを追求していく。アタシ自身を証明するためにね」
(「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期」第二話より)

もしかしたら、ランジュには何か「証明」しなければならないことがあるのではないだろうか。「ひとりでもやれる」と「証明」しなければならないことが。わたしにはそう思えてくるのです。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第二話「重なる色」感想 ~声を繋いで、思いを重ねて~ - メガネ(裏)


「アタシは『ひとりでもやれる』」と「知らしめ」なければならない。「証明」しなければならない。
そのような事情をランジュが抱えていて、他ならぬ彼女自身がその事情に囚われている。わたしには、そのように思えてならないのです。

そして、さらに思い起こされるのは、第二話でエマたちが抱いた「本当のことを言ってないんじゃないかって思えたんだ」という違和感です。
スクールアイドルとなるために、異国の地・香港から虹ヶ咲学園へとやってきたランジュ。それは第一回スクールアイドルフェスティバルを観て、ステージの上で自分のやりたいことを存分に表現してキラキラ輝くスクールアイドルたちから「トキメキ」を受け取り、彼女自身もそうありたいと願ったからだというのは疑いの余地はないかと思われます(むしろ、そう思いたい。それだけでも本心であってほしい……!)
しかし、ソロアイドルとして、たった「ひとりで」やっていくというのは、もしかするとランジュが望んだものではないのかもしれない。あるいは、彼女に「トキメキ」をもたらしたのがソロアイドルの集まりである虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会だったから、自分もそうあらねばならないと(もしかすると、知らずしらずのうちに)思いこんでしまったのかもしれない。そのような考えまで、わたしには出てきてしまうのです。

しかし、これらの価値観を「正しい・正しくない」の二元論として語ることについては、なんとなく渋い顔が出てきてしまうところが、わたしにはあるんですよね。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第一話「新しいトキメキ」感想 ~「トキメキを受け取ったもの」たちが出会うとき~ - メガネ(裏)

ランジュの価値観もまた、否定されることがあってはならないと、わたしは思います。ランジュがその心に抱く「スクールアイドルへの『大好き』」だって、本来的には独りよがりなものでないはずなのです。あふれんばかりの「大好き」を、自由に、素直に、思うがままに表現したい。そんな気持ちは、他のスクールアイドルと何ら変わりはないのですから。たとえ彼女の価値観が、今まで我々が出会ってきたスクールアイドルと真っ向から衝突するようなものであったとしても、それが「正しくない」とされることはあってほしくないなと、わたしは感じているのです。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第一話「新しいトキメキ」感想 ~「トキメキを受け取ったもの」たちが出会うとき~ - メガネ(裏)

第一話の感想で、わたしはこのようなことを書きました。ランジュの信じる「正しさ」が、否定されてほしくないと。
しかし、もしランジュが信じる「正しさ」が、彼女自身が望んだものではないとしたら。その「孤高」が、彼女自身が望んだものではないとしたら。

そんなの、悲しすぎる。

生まれたのは「トキメキ」、惹かれたのは「輝き」

侑「うーん……」

侑は、行き詰まっていました。

第三話における作曲の課題を通して、「音楽を通して、自分を表現出来るひとになりたい」という彼女自身の「オリジン」に気づいた侑。
しかし、スクールアイドルフェスティバルのトリを飾る曲を作成するという大役を任された侑は、またしても壁にぶち当たり「トキメキ」を見失ってしまいます。「第三話で『気づき』を得たときから、後退しているのでは?」と思ってしまうところもありますが、あのときと比較して、侑が抱えているものはあまりにも大きい。同好会のみんなの期待、ファンの期待、そして、ランジュに示すべき「侑が同好会にいる意味」の答え。たとえ同好会のみんなや栞子が「考え過ぎ」だと言っても、これらが侑にとってのプレッシャーとなり、彼女が「トキメキ」を見失ってしまうのも無理からぬところなのでしょう。

迷い、悩み、立ち止まる侑。
そんな彼女のもとに、歌声が届きます。

それはせつ菜の、「先導者」の歌声。その「先導者」の歌声に導かれるかのように、侑は彼女自身の「オリジン」を再び見出し、立ち上がります。
そう、侑に「トキメキ」をもたらし、そして彼女を導くのは、いつだってスクールアイドルの「輝き」なのです。

侑「私も、みんなに近づきたい。みんなと一緒に、今ここにいる私を伝えたい! そうなんだ、これが、私の『トキメキ』!」

侑がスクールアイドルに惹かれたのは、ステージの上で思うがままに自分自身を表現し「自分を目一杯伝えようとしている」彼女たちが「輝き」を放っていたから。
たとえ、彼女たちと同じ「スクールアイドル」という道を選ばなくとも、その「輝き」に対する憧れは「トキメキ」というかたちで、ずっと侑の心にあり続けた。わたしには、そう感じられるのです。


侑は走り出します。再び掴み取った「トキメキ」を、その胸に抱いて。

「出会い」ってそれだけで、奇跡と思うんだよ

ついに、第二回スクールアイドルフェスティバルのラストステージが幕を開けます。
ラストステージに立つ九人のスクールアイドルから語られるのは、今までスクールアイドルフェスティバルに関わったすべてのひとたちとの「出会い」に対する感謝の言葉。

かすみ「次が、最後の曲になります。私たちの、大切な仲間が作ってくれた曲です」

侑が、スクールアイドルと出会って「トキメキ」を受け取っていたから。


璃奈「あるひとが助けてくれたから、新しい歌は生まれました」

ミアが、ランジュと一緒に虹ヶ咲学園に来ていたから。


せつ菜「あるひとが提案してくれたから、今回のフェスティバルは実現しました」

栞子が、オープンキャンパスや文化祭の実行委員に参加していたから。


エマ「あるひとが、素敵なライブを見せてくれたから、私たちはもっと成長することが出来ました」

ランジュが、第一回スクールアイドルフェスティバルを観て、スクールアイドルを志したから。


彼女たちだけではありません。
かすみが、侑と歩夢をスクールアイドル同好会へと勧誘したから。
せつ菜が、生徒会長だったから。そして、そこで生徒会メンバと出会ったから。
果林が、日本に来たばかりのエマに手を差し伸べたから。
エマが、果林の心をぽかぽかにしたいと願ったから。
愛が、ひとりぼっちの璃奈に声をかけたから。
璃奈が、勇気を振り絞って、クラスメイトである色葉・今日子・浅希と繋がろうとしたから。
彼方の妹・遥が、東雲学院でスクールアイドルをやっていたから。
藤黄学園のスクールアイドル・姫乃と美咲が、合同演劇祭で主役を演じるしずくを観ていたから。
スクールアイドル同好会の頑張りを、虹ヶ咲学園の生徒たちが見ていたから。
ランジュが、紫苑女学院のスクールアイドル・黒羽姉妹と出会っていたから。
これだけではなく、この他にも語りきれないほどの出会いが、侑たちを「スクールアイドルフェスティバル」=「みんなの夢を叶える場所」へと導いたのでしょう。

奇跡のような出会いが、数え切れないほどの「トキメキ」を生んで。
数え切れないほどの「トキメキ」が、「虹が始まる場所」への軌跡を作り出して。

これはステージの上に「輝き」を求めたスクールアイドルたちが「あなたと叶える物語」。

これはスクールアイドルたちから「トキメキ」を受け取った誰かが「私を叶える物語」。

これはスクールアイドルと、彼女たちが大好きなすべてのひとたちが「みんなで叶える物語」。


そして、そのすべてがきっと「ワクワク叶える物語」。

こぼれ話

ワクワクしよう、キミも!

www.youtube.com

「TOKIMEKI Runners」。
ツイッタなどを見ていると、今回のエピソードでこの曲が来ると予測していたひとはそれなりに多く観測されていたので、そこまでの驚きはなかったというのは事実としてあります。
しかし、ニジガクにおける「はじまりの歌」がスクールアイドルフェスティバルのラストステージという大舞台で披露されるというシチュエーションに万感胸に迫るといった気持ちが出てくるというのも、また事実なんですよね。
そして、これは余談ですが、オープニングアクトにてランジュが「Queendom」を披露したのも、「はじまりの歌」としてこれと対比させようという意図があったのかなと思うところはあります。

そして、同好会のみんなとともにステージに上がり、彼女たちのためにピアノを奏でる侑。ニジガク3rdライブを強く想起させられるその光景に、これまた感慨深さが出てきます。
きっとこれは、一番近くで同好会を支え、応援してきた侑だからこその「私がやりたいこと」であり「私にしか出来ないこと」。そのように、わたしには感じられるのです。


それはそれとして、今回のライブシーンにおいて、ここまでしっかりした「答え合わせ」が公式側からお出しされたことについては、ちょっと意外に思ったところはある。

ソウイエバ、グリーンダヨー

侑「ドンダケカンガエテモー、トキメカナイヨー!」

これは、侑のシンキングポーズである。 こうすると、何かがトキメくのだ(トキメくとは言っていない)
それはそれとして、このときのセリフの言い方が完全に「ヒトリダケナンテエラベナイヨー!」のそれ。


今日もかすみんが可愛い

遥「かすみんさん、その髪飾り、可愛いね!」
かすみ「えへへへへー、そんなことありますよー」

だいはちわもかすみんがたくさんうごいていてとてもかわいかったのでよかったです。

そしてやはり、かすみはこの髪飾りをつけてこそ、というところがあります。
せっかく「アニメニジガク」一期十三話でしずくから髪飾りをもらったのに、あまりつけてくれなかったのでちょっと不満に思っていたところはありますが(作画コストなんて知ったことか!)、ここ一番というところできちんと髪飾りをつけてくれたので「ヨシ」としたところなんですよね。

今回のここ好きポイント

ミア「……ランジュは最高のプレイヤーだから。ランジュだけじゃない。他のスクールアイドルだって、きっとそうだ。自分の存在すべてをステージに懸ける。そういうものなんだ」

第七話ではスクールアイドルを「所詮、アマチュアの遊び」と評していたくせに、急に理解の解像度が高いことを言い出しおって……。
一流には、見えているものが違うということでしょうか。

今回のここ好きポイント その2

ミア「同好会のアイドルのために作るっていうベイビーちゃんの判断は、絶対に間違ってない。みんな、喜んでくれるさ」

「絶対に」というワードから、ミアが侑のことを高く評価してるのが伺い知れるんですよね。もはや、最大級の賛辞ですよ、これは。
もしかすると、ミアにとっての「先導者」は侑になるのかもしれない。そんな考えまで出てきてしまいます。

今回のここ好きポイント その3

そして、スクールアイドルフェスティバルの打ち上げにちゃっかり参加しているミア。これについては、さすがに笑いを禁じえない。




第二回スクールアイドルフェスティバルがフィナーレを迎え、ひとつの終着点を迎えた「アニメニジガク」二期のストーリー。「もしや、これは最終回だったのでは……?」と勘違いしてしまうところですが、まだ第八話だというから驚くしかないところです。

そう、「アニメニジガク」二期のストーリーは、まだまだ続いていくのです。

数多の導線が見え隠れしながらも、いかにしてスクールアイドルへの道に進むのか、まだまだ未知数な部分も多いミア。

ランジュ「……拜拜」

そして、意味深なつぶやきを残して立ち去ったランジュ。まだまだ、気になる要素は数多く存在しているのです。

ミアやランジュ、そして侑たちの物語は、これからどのような展開を見せてくれるのでしょうか。
次回以降のストーリーが、大いに待ち遠しくなりますね。