ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第十二話「エール!」感想 ~心は、きっと繋がっているから~

皆様、こんにちは。
大気が徐々に熱気を帯び、本格的な夏支度を整えつつある今日この頃ですが、進捗いかがですか。


と言うわけで、配信で参加しました。
ライブパートでの「未来予報ハレルヤ!」は、カメラワークによってBパートにおける各メンバのツーショットをきっちり再現していて、ワザマエを感じましたね。
また、「心キラララ」はそのライブパフォーマンスに正統派にして王道、そしてド直球のアイドル性を感じられ、これまた好印象です。Blu-ray特典曲ということで、披露される機会が少なそうなのが惜しまれるところ。
その他にも「Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!」や「Dreaming Energy」、「未来は風のように」といった、個人的に好きな楽曲が多く採用されたセトリだったので、そういう意味ではなかなか満足感が高いライブでした。
それはそれとして、ファンミーティングパートの「原宿カワイイ会議」コーナーについては「設問で合わさせる気がなければ、回答者も合わせる気ないでしょ……」という気持ちになってしまったのですが、それについてはここだけの秘密ということにしておいて下さい。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期』第十二話」からの引用です。



それは「先導者」へと至る道

「はじめまして。私はロンドンの公立学校に通う十六歳の学生です。先日、友達と一緒にスクールアイドルフェスティバルの動画を観て、歩夢ちゃんに『トキメ』いてしまいました……」

前回のストーリーラストにて、歩夢に届けられた一通のメール。それは、遠く海を越えた地・ロンドンからのファンレターでした。誰だ、「『しょーもない』結末が待ち受けているのかも」なんて言ったのは……!

しかし、冷静になって文面を見たときに目に飛び込んできたのが、下方に見切れた「セキュリティ通知」の文字列。これはもしかすると、想像以上に「しょーもない」結末が待ち受けているのかもしれない。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第十一話「過去・未来・イマ」感想 ~ヒカリを目指して、出発!Ready Go!~ - メガネ(裏)

わたしだった。てへギャラ。

それはそれとして、ロンドンより届けられたこのファンレターからは、「スクールアイドル・上原 歩夢」の成長を強く感じさせられるんですよね。侑に背中を押してもらわなければスクールアイドルとしての第一歩を踏み出せなかった歩夢が、その活動を通して確かな成長を果たし、ついには国境を越えて「トキメキ」を届けられる「先導者」としての資質を開花させるまでに至ったのだ。そのような気持ちまで出てきて、思わず胸が熱くなります。

歩夢「驚いた? 侑ちゃんもどんどん進んでくれなきゃ、置いてっちゃうんだから!」

そして、(彼方の後押しを受けて)「『スクールアイドルはすごい』って伝えるために」ロンドンへの留学を決意する歩夢。自らの行動を以て作曲コンクールへの挑戦に二の足を踏む侑の背中を押すその姿からも、彼女が持つ「先導者」としての力強さが伝わってきます。

確かに、今回のストーリー中盤において彼方に相談していた時点での歩夢は「侑と離れ離れになるのが怖い」という思いから、留学に対しての不安を隠しきれない様子でした。しかし、以前まで(具体的には「アニメニジガク」一期中盤くらい)の彼女であれば、このような状況になったら迷うことなく「侑と一緒にいる」ことを選んでいたんじゃないのかなと思うところがあります。それでも、今の歩夢は見知らぬ誰かの助けになるために(一時的にとは言え)侑とは違う道を歩む決断をすることが出来るようになったのです。こういったところからも、歩夢が今まで歩んできた「スクールアイドル」としての一歩一歩の大きさが垣間見えてくるように感じられるんですよね。


「アニメニジガク」一期第一話において、せつ菜のライブを見て「トキメキ」を受け取り、侑に背中を押されてスクールアイドルになった歩夢。そんな彼女が、今度は誰かに「トキメキ」を届けるとともに、侑の背中を押す。
今回のストーリーにおいては、歩夢の「先導者」としての成長を、存分に実感させてくれたなというところがあります。

たとえ、遠く離れても

歩夢「……離れてしまうのが、怖くて」

いつか来るであろう「終わり」。それは、(前回のストーリーで触れられたように)彼方たち三年生にだけ訪れるものではありません。そして、歩夢と侑にとっての「終わり」は「ふたりの別れ」という形で訪れるものなのかもしれません。
これまで、お互いにその背中を押して、お互いを応援し、支え合いながら進んできた歩夢と侑。しかし、たとえ「これからもそうありたい」と願ったとしても、その望みが叶うとは限りません。歩夢が「このままお互いが進めば進むほど距離は離れていって、そのうち同じ場所にはいられなくなってしまう」と語るとおり、お互いに叶えたい「大好き」が違う以上、いつかはそれぞれが違う道を歩む日が来るのかもしれないのです。
大切なひとの「『大好き』を叶えたい」という気持ちを応援したいのに。その背中を押してあげたいのに。その行為は、ふたりが離れ離れになる未来に繋がりかねない。なんというジレンマでしょう。


彼方「スクールアイドルはそれぞれ学校が違うし、ファンもそれぞれやりたいことは全部違うけど、それでも、同じものを好きになれば仲良くなれるし、力を与え合える」

「それでも」。
いつか来るかもしれない「終わり」を前にして立ちすくむ歩夢に向けて、彼方は「それでも」と言うのです。

歩夢は「スクールアイドル」として。侑は「音楽家」として。
たとえ、ふたりの叶えたい「大好き」がそれぞれ違っていたとしても、その「大好き」はスクールアイドルから受け取った「トキメキ」から生まれたものだということに、変わりはないのだから。
たとえ、それぞれが違う道を歩む未来が来るとしても、同じ「トキメキ」から生まれた「大好き」を持っているふたりなら、きっとその心はいつまでも繋がっていられるのだから。

彼方「背中を押して距離が離れたって、押してくれた手のぬくもりは残るよ」

「押してくれた手のぬくもり」。
そのぬくもりはきっと、今まで歩夢と侑がお互いのことを思い合い、育んできた絆の証明であり、心の繋がりの結晶でもあるのでしょう。


上記ツイートは「アニメニジガク」一期十二話について言及したものなのですが、歩夢と侑の関係性が「同じ場所に立ってお互いを見つめ合う関係」から「違う場所に立っていても同じ場所に向かっていける関係」になっていく物語が「アニメニジガク」一期だとするなら、そこからさらに「違う場所を目指すとしても心は繋がり合っている関係」へとアップデートされていく物語が「アニメニジガク」二期なのかもしれない。わたしには、そう感じられてくるのです。


かつて、ひとりの英雄は言いました。「同じ道を往くのはただの仲間にすぎない。別々の道を共に立って往けるのが友達だ」と。
歩夢と侑が踏み出す一歩は、ふたりが「友達」として踏み出す新たな一歩でもあるのかもしれません。

こぼれ話

数多の思いが込められた「エール!」を

彼方「『ラブライブ!』東京予選に出てるみんな! 今日、私たちは会場には行けないけど、今から気持ちを届けたいと思います!」

ラブライブ!」東京予選に挑むスクールアイドルたちに、ニジガクメンバやスクールアイドルのファンから向けた「エール!」。

彼方「ふたりならきっと大丈夫!」

侑と離れ離れになることに恐れを隠せない歩夢に、彼方から向けた「エール!」。

歩夢「もし失敗したら……、励ましてね。私もそうするから!」

作曲コンクールへの挑戦に対して不安を覚える侑に、歩夢から向けた「エール!」。

しずく「ファーストライブに込める思いが、またひとつ増えましたね」

そして、新たな一歩を踏み出すことを決意した歩夢と侑に、ニジガクメンバから向けた「エール!」。


本放送直後は「ニジガクとスクールアイドルのファン⇒スクールアイドル」の「エール!」と、「歩夢⇒侑」の「エール!」という「ダブルミーニング」なのかなと考えていたところがありました。しかしながら、二回、三回と視聴を繰り返すごとに「エール!」の新たな意味を見出すことが出来て、これもまた、今回のストーリーの味わい深さなのだろうなと感じられたんですよね。

今日もかすみんが可愛い

かすみ「『かすみんと、可愛い年末過ごしませんか?』とか、どうですか?」

かすみ「これで行きましょう! 題して『スクールアイドルみんなで応援プロジェクト』、スタートです!」

だいじゅうにわもかすみんがたくさんうごいていてとてもかわいかったのでよかったです。

今回のここ好きポイント

侑「コンクールって、『本気』のみんなが集まる場所じゃん? そんな中に、ただやってみたいだけの私が入っちゃっていいのかなって思うんだよね」

作曲コンクールへの挑戦を見送る理由について、歩夢に語る侑。その裏には(後に彼方に相談したときに語ったように)「大きな挑戦に対する恐れ」があったわけですが、歩夢に対して語ったこの思いもまた、侑の本心であるように思うんですよね。
音楽が「大好き」で、「大好き」に対してどこまでも真っ直ぐだからこそ、音楽に対して「本気」なひとたちに対しても敬意を払うことが出来る。
侑のこのセリフからは、そのような彼女の真摯さと誠実さが垣間見えてくるように、わたしには感じられるのです。

ちなみに、これは余談なのですが、侑が「大きな挑戦に対する恐れ」を見せるというのは「アニメニジガク」一期第十三話でも見受けられたんですよね。こういったところでキャラクタの一貫性を示してくれるのが、ささやかながらも上手いなと思わせてくれます。




「アニメニジガク」二期の物語も、ついに次回で最終回。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会にとって、これまでのスクールアイドル活動の集大成であり、これから踏み出す新たな一歩の象徴でもあるファーストライブ。彼女たちはきっと、このライブで「最高の『イマ』」を観せて(あるいは、魅せて)くれることでしょう。期待の高まりは、とどまることを知りません。
さあ、十二人とひとりの少女たちが紡ぐ「みんなで叶える物語」のクライマックスを、見届けようではありませんか。