ラブライブ!スーパースター!! 二期第三話「優勝候補」感想 ~次のステップへ、さあ進もう~

皆様、こんにちは。
八月を迎え、夏の暑さが容赦なく喉元に牙を突き立ててくる今日この頃ですが、進捗いかがですか。


前提条件として、「スーパースター!!」二期が終われば3rdライブが開催されるだろうというのは、当然の予測としてあったんですよね。ただし、それは「言うて、2ndライブと同じように首都圏メインでの開催でしょ?」という予測も一緒だったわけですが。しかし、フタを開けてみれば開催されるのはなんとライブツアー! しかもわたしの地元である北海道にも来てくれるという嬉しいサプライズまで待ち受けていたのです。「Liella!生放送」での発表を聞いた瞬間、リアルで「マジかよ?!」という声が出てきたところまでありましたね。これはぜひとも現地参戦したいところですが、はてさてどうなることやら(ハコのキャパシティが1stライブツアーと比較して格段にデカくなっているから、どうにかなると信じたい……!)
あとは、十二月終盤と二月に不自然な空白期間があるのも気になるところ。これはもしや、二度目のカウントダウンライブや「超次元音楽祭」のような外部イベントへの参加があったりするのでしょうか……?  これについても続報を待ちたいところであります。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像は注記がない限り「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!! 二期』第三話」からの引用です。



エトランゼにして、アンチテーゼ

このような存在は、完全に盲点にして想定外だった。
そのように思わされたというところはあります。

ウィーン「『ラブライブ!』ってすごい大会と聞いていたけど……、あなたたちが優勝候補ってことは、そこまで大した大会じゃないみたいね」

第二話ラストにおいて何の前触れもなく登場し、わたしたち視聴者を「誰だアイツ?!」の大嵐に巻き込んだ謎の少女。その正体は、異国(名字から判断するにドイツ語圏か……?)より来たりしソロスクールアイドル、ウィーン・マルガレーテでした。


世界的にも有名な「音楽の都」の名を冠するその少女が何を目的として日本に来訪し、そしてスクールアイドルとなったのか。現時点でそれを推測する材料は、あまりにも少ない。皆無と言っていいほどです。
しかし、彗星の如く現れ、「優勝候補」と目されたLiella!から「代々木スクールアイドルフェスティバル」優勝の座をもぎ取ったウィーンの姿からは、彼女がかのんたちに対する「アンチテーゼ」的な存在となる予感をひしひしと感じさせられるんですよね。

Liella!メンバをたじろがせ、かのんに「『ラブライブ!』優勝」を目指すことへの迷いを生じさせるほどの圧倒的なライブパフォーマンスを披露し(これが中学三年生にしてフェス出場という特例を認めさせたパフォーマンス!)、「孤高」という言葉があまりにもしっくりハマるその立ち振る舞い。
それは「みんなのために歌いたい」・「音楽でみんなを結びたい」・「応援してくれるみんなで勝利する喜びを分かち合いたい」というLiella!のスタイルとはまるで正反対なイメージを与えてくるように思えるのです。

かのん「センターは、ここにいる全員。そして、結ヶ丘の生徒全員。この最高に、素敵な学校全部!」

そういう観点から見てみると、今回のエピソードラストにおけるライブ直前にかのんから語られたこのセリフも、この対照性を強く補強してくるかのように感じられるんですよね。


謎多きソロスクールアイドルが、今後のストーリーにおいてどのような波乱を巻き起こしていくのか。
これからのウィーンの動向が、大いに気になるところです。

「パブリックイメージ」という名の怪物

それはそれとして、今回のエピソードにおいては、Liella!がこれから歩んでいく「『ラブライブ!』優勝」への道程が、想像していた以上に困難なものになるかもしれないと感じさせられたところはあります。

「スーパースター!!」一期での「ラブライブ!」東京大会敗北に続く、今回の「代々木スクールアイドルフェスティバル」における敗北。この続けざまの「敗北」という事実は、かのんたちにとって「パブリックイメージ」という大いなる障壁となって立ちふさがるのではないかという懸念が、わたしのなかに出てきてしまうのです。


上述ツイートで挙げた「背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~」というマンガのなかに、以下のようなセリフがあるんですよね。

「私の私見では二組(ふたくみ)の間にそこまでの実力差はないけれど… ただ競技ダンスでの勝負というものは」
「印象(イメージ)との戦いでもあるというのが難しいところねェ…」

「すると当然有名になればなるほど 見ている人たちの中でその選手に対する印象(イメージ)が固まってきてしまうのよ」

「もちろん審査員は全ての選手を公平に見てはいるけど 不思議なものでそういうのって選手たちにもすりこまれてしまうのかもね」
「本人たちも無意識に『二位のダンス』を踊ってしまってるのだと思うのよ」

「観客や審査員そして何より自分たちの中から」
「その『いつも二位』という印象(イメージ)をぬぐい去って順位をくつがえすのは至難の業 要するに」

「今のままなら…」
「勝つのは相当…厳しいわよ…?」

(以上、すべて「背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~」七巻 STEP56「綾辻理央③」/作:横田卓馬 より)


背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~」は競技ダンスを題材としたマンガなのですが、上述引用で挙げた内容は競技ダンスのみならず、様々なシチュエーションにおいて言えることだと思えるのです。そしてそれは、Liella!が現在置かれているこの状況も例外ではないように感じられてきます。

今はまだ、二回目(「クーカー」時代を含めると三回目)の「敗北」。しかし、この「敗北」が続いてしまえば。「Liella!はSunny Passionやウィーンには勝てない」・「いつだってLiella!は二番手だ」という印象がついてしまえば。その「パブリックイメージ」は恐るべき怪物として、Liella!に襲いかかってくることでしょう。

かのん「『レベルが高そう』かあ……」
(「ラブライブ!スーパースター!! 二期」第一話より)

かのん「練習が?」
きな子「はい。クラスに、練習中のきな子を見たって子が何人かいて、それがすごい厳しそうに見えたらしくて……」
(「ラブライブ!スーパースター!! 二期」第二話より)

ストーリー序盤である現在においては、上述の懸念もまだ「懸念」の段階でしかなく、もしかしたらそれは「杞憂」に終わってくれるのかもしれません。しかし、わたしたちはすでに目撃してしまっているのです。かのんたちが「目指すは『ラブライブ!』優勝」=「練習がとても厳しい」という「パブリックイメージ」のせいで新入生獲得にさんざん苦労させられる、その有様を。

かのん「私たちは……、優勝候補じゃない」

あるいは、「パブリックイメージ」という怪物は、すでに牙を剥いていると言えるのかもしれません。
現在、Liella!に与えられている「優勝候補」という期待はSunny Passionが「一番心躍るグループ」として評価しているから、というところが大きい。もちろん、Liella!がその評価にそぐわないグループであるとは思いませんが、少なくとも、かのんはそれが分不相応な評価であると感じているように、わたしには思えます。
そして、今後のストーリー展開によっては「優勝候補」という評価は「その評価に応えなければならない」というプレッシャへと反転して、かのんたちに襲いかかってくるかもしれない。「期待に応えたい」という願いが「期待に応えなくてはならない」という呪いに変容してしまうかもしれない。そのような、よからぬ想像まで出てくるところがあるんですよね。これもまた「パブリックイメージ」が持つ恐ろしさかもしれないというのは、わたしの考えすぎでしょうか……?

「雨上がりの屋上」は、これからのLiella!に待ち受ける数多くの困難と、それを乗り越えて走り抜ける彼女たちの勇姿が予感させられ、今後のストーリーへの期待も高まってくるのです。

ラブライブ!スーパースター!! 二期第一話「ようこそLiella!へ!」感想 ~「はじめまして」からはじめよう!~ - メガネ(裏)

しかし、よく考えてみれば、Liella!に数多くの困難が待ち受けているであろうというのはすでに予測がついていたところ。そして、待ち受ける困難が大きければ大きいほど、それを乗り越えた先に待っているカタルシスもより大きくなるというものでしょう。言い方を変えるなら、「こうでなくちゃ面白くない」。ドキドキやハラハラは、ワクワクのスパイスにもなるのですから。


信じようではありませんか。
降り注ぐ雨が激しければ激しいほど、それが過ぎたあとに輝く陽光はより眩しく彼女たちを照らすのだと。そして、青空に浮かび上がる虹はより色鮮やかな架橋となって彼女たちを導くのだと。

こぼれ話

常夏の島の太陽のように

悠奈「ただ……、私たちはそれでも負けないけどね」

「『ラブライブ!』連覇」という新たなる目標について語るSunny Passionのふたり。それは「夢」と呼ぶにはあまりにもギラギラしていて、むしろ「野望」と呼んだほうがしっくり来るような印象を与えます。
たった一度の優勝に満足することなく、学校や神津島のみんなの期待を推進力に変えて、「最高の『未来』」を貪欲に追い求める姿勢。これこそ、Sunny Passionが「王者」たる所以だと思えてくるのです。
「スーパースター!!」一期では「先導者」として、駆け出しのスクールアイドルであったかのんたちを導いてきた悠奈と摩央。そんな彼女たちが、今度は「『ラブライブ!』優勝」を目指すLiella!にとっての最大級のライバルとして立ちふさがる。これもまた、胸が躍る展開なんですよね。

望むは金銭? 見えない導線!

夏美「ガッデーム! たった一分遅れただけで低評価……!」

フードデリバリー(パロディがロコツすぎる……!)のアルバイトにいそしむ夏美。まさか、マジでマニーが必要なのでいらっしゃったのですか。第二話での「日経平均全面安」は、ガチで株価を気にしていらっしゃったのですか。
それはそれとして、今回のエピソードにおける夏美については、「代々木スクールアイドルフェスティバル」やストーリーラストでのLiella!ライブに参加している様子が見受けられなかったというのが気になるところとしてあります。彼女がいかにしてLiella!のメンバとなるのか、その導線はまだまだ未知数。今後の展開や、いかに。

今回のここ好きポイント

かんたんきなこ。

今回のここ好きポイント その2

メイからLiella!へと届けられた差し入れに添えられたメッセージカード。
小さく添えられた「様」の文字に、すんでのところで正気を取り戻したかのような趣(おもむき)がある。




現れたのは新たなるライバル。待ち受けるのは大いなる困難。
しかしながら、それらがわたしに予感させるのは不安よりもむしろ期待。かのんたちは、新たなる強敵にいかにして立ち向かっていくのか。そしてLiella!は、いかにして大いなる困難を乗り越え、「『ラブライブ!』優勝」という目標に向かって駆け抜けていくのか。想像するだけで、ワクワクが止まらなくなるのです。


そして、第四話はついに「あのふたり」がストーリーに本格的に関わってきそうで、そういった意味でも期待感がさらにドライブしていくんですよね。

はてさて、次回はどうなることやら。