幻日のヨハネ 第九話「ライラプスをさがせ」感想 ~カウントダウンは、はじまった~

皆様、こんにちは。
お盆休みが過ぎれば暑さも和らぐと思いきや、全然そんなことはない今日この頃ですが、進捗いかがですか。


いきなりどうした。
いや、この直前のリツイート、もといリポストに関連したものだと理解はしているんですけど、それも含めて「いきなりどうした」なんですよ。新規版権絵のようにも思えるけど、わざわざこのために用意したのだろうか……?


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それはそれとして、フル尺でのダンスプラクティスムービーは珍しいのではという気持ちがあります。
Liella!4thライブツアーについては東京公演ライブビューイングチケットを確保したので、そこでのパフォーマンスを楽しみに待つことにするのです。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『幻日のヨハネ』第九話」からの引用です。



「別れ」の足音は、すぐそこに

夏祭りでのライブを終え、すっかり燃え尽き症候群ヨハネ。そんな彼女を横目に、ライラプスはひとりでどこかへお出かけ。そんなライラプスが気になって仕方がないヨハネはこっそり後をつけるのですが、ふとした拍子にその姿を見失ってしまいます。「ライラプス行方不明」の情報は街中を駆け抜け、やがてヌマヅ全域を巻き込んだ大騒動に……。

「別れ」のときは、近いのかもしれない。

今回のエピソードで、真っ先にわたしが感じたことです。
「これからもずーっと一緒だよ!」と笑うヨハネの言葉に、答えを返さないライラプス。ふたりの出会いを、ヨハネとともに懐かしむライラプスヨハネの歌を「すごく素敵だったよ」と、感慨深そうに語るライラプス。仲間たちとたわむれるヨハネを、どこか寂しげに見守るライラプス。そして、ライラプスの影に隠れて一枚だけ花びらを失った青い花。そのどれもが、ライラプスとの「別れ」を示唆しているように思えてならないのです。
こうなってくると、今回のエピソードにおけるライラプスと街のひとたちとの交流やヨハネとの出会いの場所への来訪も、「別れ」の前の最後のあいさつだったのでは、と感じてしまうところもあるんですよね。

ヨハネ「なんか、あのときの魔法がずっと続いてるみたい。だって、あれからみんなと嘘みたいに仲良く……、なれたし」

ライラプス「確かに魔法みたいに上手くいったね」

懸念事項はもうひとつ。
「物語」があまりにもトントン拍子で進みすぎている。わたしには、そのように思えてならないのです。

幻日のヨハネ 第八話「届け! Sea breeze」感想 ~成長の裏に潜む「弱さ」と「脆さ」~ - メガネ(裏)


さらに言うなら、わたしがこれまでのストーリーにおいて感じていた「トントン拍子」感を、ヨハネライラプスも感じていたということには驚きが出てきたところもあるのです。それと同時に、彼女たちの言葉は「今までの『トントン拍子』感は、すべて意図的なものである」という「物語」からの宣言であるかのように思えてなりません。
こうなってくると、前回のエピソードにて感じられた「嵐の前の静けさ」が、より実感を持って立ち塞がってくるような気持ちになってくるのです。この「静けさ」の先に待ち構える「嵐」が一体いかなるものとなるのか、もはや我々の理解が及ぶところではないのかもしれないと感じるところもあります。いずれにせよ、我々に出来るのはそのときを待つことだけなのでしょう。


「縁」や「絆」といった、ひととひととの「繋がり」。この「物語」は、そんな「繋がり」について、一貫して描き続けてきたと言っても過言ではありません。
ヨハネにとって最初の「縁」であり「絆」である、ライラプスとの「繋がり」。その繋がりが断たれてしまうとき、この「物語」にいかなる波乱が吹き荒れるのでしょうか。

こぼれ話

本当にそれでいいの?

ヨハネ「でも、もう出来たし、お母さんからの夏の宿題! みんなで歌って楽しかった、以上!」
ライラプス「それが本当にヨハネにしか出来ない、楽しくてたまらないこと?」

ライラプス「それで、ヨハネはこれからどうするの?」
ヨハネ「えっ?」
ライラプス「みんなと仲良くなって……、それから?」

燃え尽き症候群ヨハネに対して投げかけられた、ライラプスの問いかけ。その問いかけが「そんなわけないでしょ」という反語的な意味合いを含んでいることは明白ですし、ヨハネが「宿題」について再び考え直すきっかけにもなったわけですが、その問いかけの先にあるファイナルアンサーがどのようなものになるのかは全く想像もつかないというところがあります。そもそも、「仲間たちと『絆』を繋いで、ヌマヅに迫りくる『異変』を解決する」というのも「宿題」の答えとしては申し分ないものであるように思っていたんですけどね。
ヨハネは「もう少しで見えそうなんだ」と語っていることですし、これまでのエピソードに何かしらのヒントは潜んでいそうな気配はそこはかとなく感じられるのですが、はてさて。

それが、ヒーロー

ライラプスヨハネって、たまに無謀だよね」
ヨハネ「しょうがないじゃん!」

「トップヒーローは学生時から逸話を残している……」
「彼らの多くが話をこう結ぶ!!」

『考えるより先に体が動いていた』と!!」

(以上、すべて「僕のヒーローアカデミア」一巻 No.1「緑谷出久:オリジン」/作:堀越 耕平 より)

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「身体が動いちゃうんだから!」と語るヨハネの言葉に、「僕のヒーローアカデミア」におけるNo.1ヒーローのセリフを思い起こしたところがあるんですよね。
それはそれとして、ヌマヅに戻ってきたばかりのヨハネだったら、ここまでの「ヒーロー」性を発揮していただろうかと思うところもあります。「縁」を結び、「絆」を繋ぎ、「前向きな気持ち」を手に入れて成長してきた今のヨハネだからこそ、ここまでの「ヒーロー」性を発揮出来るのではないでしょうか。
さらに言うなら、この「ヒーロー」性がそのまま「主人公」性にも繋がってくるのではと思えるところもあるんですよね。

イヌ科に「縁結び」のイメージはあまりないように思うのだが、それはそれ、これはこれ

ヨハネライラプスはさ、私がヌマヅに帰ってきたとき、この街に馴染めるように、居場所を作っていてくれたんだよね」

ライラプスと一緒にいる女の子」というイメージが定着すれば、ヨハネも街のひとたちと「縁」を結びやすくなるだろうというライラプスの気遣い。穏やかで人当たりが良いライラプスの性格あってこその行動に、素直に「なるほどね」を感じたところはあります。

そろそろ本格的にトンチキが恋しい

ダイヤ「なんですって!?」
コハク「先程、ルビィさんから、ライラプスが行方不明になったと」
ダイヤ「今すぐ、ヌマヅ全域に捜索依頼を!」

「噂が噂を呼び、想像以上の大騒動に発展」というのはコメディとして定番の流れであるように思うのですが、その方向での発展が今ひとつだったことについては、少し期待外れにも似た気持ちが出てきたところはあります。久々にどデカいトンチキが楽しめるものだと思っていたんだけどなあ……。

「ちょっと聞いた? ライラプスがいなくなっちゃったんだって」
「あら、さっきは元気に歩いてたけどねえ……」
「噂では、ヌマヅを出てったんじゃないかって」
「家出?! なにか辛いことでも……」
「かわいそう……。絶対見つけなきゃ……」

それはそれとして、噂に尾鰭がついた結果としてヨハネにあらぬ疑いがかかるのではないかと、無駄なハラハラが出てきたところはある。優しい世界で良かった。

今回のここ好きポイント

この手の流れだと「結局、カツサンドを食べることが出来なかった」というのがよくあるパターンであるように思うのだが、(一口とは言え)何事もなく食べられたのは意外というか、何というか。さらに言うなら、このあと完食した可能性まで出てくるところもある。





「別れ」の気配がその濃さを増していくのを、より一層感じさせられた今回のエピソード。それとともに、「みんなが知ってるあの子の、みんなが知らない物語」も終わりへと向かって……、

次にいなくなるのは、お前なのかよ?!
これはツッコミを入れていいものなのか、判断に迷わざるを得ない。一体、どんな顔をして次回を待てば良いのやら……。

どうなる、次回。