幻日のヨハネ 第六話「ひとみしりのハーモニー」感想 ~「縁」は続くよ、どこまでも~

皆様、こんにちは。
暑さのせいで上陸出来ないという噂はどこへやら、台風が思う存分暴れまわる今日この頃ですが、進捗いかがですか。


とんでもねえ情報をさらっとお出しするのはマジでやめてほしいのですが。
それはそれとして、「蓮ノ空時空にμ’sが存在していた(可能性が大幅に高くなった)」となってくると、 「μ's 『僕らのLIVE 君とのLIFE』 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ全員で歌ってみた」動画もこれまでと違った文脈が乗ってくるのではという気持ちが出てくるんですよね。さらに言うなら、「蓮ノ空時空にはAqours・ニジガク・Liella!も存在している」という可能性が出てくるところまである。


そして、やはり「ウィーン」がファーストネームなのでは……? 謎は深まるばかりである。

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それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『幻日のヨハネ』第六話」からの引用です。



「縁」が導く、その先へ

切り株のステージにて「異変」に襲われるヨハネとマリ。間一髪のところで難を逃れたふたりは、かつて占い屋を訪れた動物学者・リコと出会います。ヌマヅに起こる「異変」についての情報交換・情報収集を通じて心を通わせたかのように見えた三人。しかし、リコは突然「ヌマヅから出るつもりだ」と告げるのです。

ヨハネ「誰にも心を開けないでいたのに、みんなは優しく接してくれて。同じだと思った。だから話したかったの。きっと、歩み寄れるって。一歩踏み出せるって」

ヌマヅを去るリコを見送りに来たヨハネとマリに対し、どことなくよそよそしい態度を取り続けるリコ。そんな彼女に対するヨハネの言葉を聞いたとき、わたしは思いました。
「きっとこのエピソードこそが、『縁』にまつわる『物語』の到達点なんだろうな」と。

かつて「ヌマヅには居場所がない」と感じ、トカイへと飛び出したヨハネ。いわば「縁」の外側にいた彼女でしたが、不本意な帰郷をきっかけに様々なひとと出会って「縁」を結んだ。ヨハネは結んだ「縁」の内側に、自らの居場所を見出すことが出来たのです。そして「こんな何もない街のことなんてどうでもいい」・「こんな小さな街のことなんて私には関係ない」と嘯いて、自分自身を取り巻く状況から目を背けていた彼女が「前向きな気持ち」を手に入れ、自ら一歩を踏み出して、誰かと「縁」を結ぼうとするまでに至ったのです。
そして、それはマリも同じです。「自分自身」や「外の世界」を決めつけ、ひとりきりでワーシマー島に閉じ籠もることで「縁」の外側にいたマリ。しかし、そんな彼女もヨハネと出会い、「縁」を結び、彼女に導かれながら一歩を踏み出すことによって、その「縁」の先にある新たな居場所を見出したのです。マリもまた、ヨハネと同じように「縁」によって「前向きな気持ち」を手に入れたひとりだと言えるでしょう。
「私はヨソモノだから」と一線を引いて、他人との関わり合いを避け続けるリコ。そんな彼女の心に気づき、その心に寄り添い、そしてその頑なな心を溶かすことが出来たのは、「縁」の外側で感じる寂しさと「縁」の内側で感じる暖かさ、双方を知るヨハネとマリだからこそ。そのように、わたしには思えるのです。


そして、いつか来るかもしれない別れに対して臆病になるリコに寄り添うふたりの姿からは、「ラブライブ!」シリーズの根底に流れるマインドのひとつである「だってだって、いまが最高!」を感じるところもあるんですよね。
確かに、出会いと別れは表裏一体だし、別れは寂しいものかもしれない。しかし、その寂しさに恐れをなして立ちすくむよりも、出会いによって結ばれた「縁」を大切にして、一緒に日々を歩んでいこうよ。リコへと向けられたヨハネとマリの笑顔には、そのような「限られた時間の中で精一杯輝こうとする」に通ずるメッセージが込められているように、わたしには思えてくるのです。わたしたちが今まで出会ってきた数多くのスクールアイドルたちと、彼女たちが駆け抜けてきた軌跡が示してくれたように。

過ぎ去りし「過去」ではなく、未だ来ない「未来」でもなく。限りある時間だからこそ「イマ」を大切にして、「イマ」を最高にするために歩んでいこう。

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来るかどうかもわからない未来に怯えて立ちすくむより、「『イマ』が最高」であるために精一杯走り抜いて、この瞬間を目一杯輝くことが「スクールアイドル」としてあるべき姿なのだと。

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たとえ、この世界のヨハネたちがスクールアイドルではないとしても、「『イマ』が最高」であるために精一杯駆け抜けて、この瞬間を目一杯輝こうとする彼女たちの「物語」は、まさしく「ラブライブ!」と言っても過言ではない。そのように、わたしには感じられてくるのです。


ヌマヅのみんなから「縁」のバトンを受け取り、そのバトンをリコへと手渡すことによって新たな「縁」を結んだヨハネたち。彼女たちはその力を合わせて、ヌマヅに襲いかかる「異変」へと立ち向かう決心を固めます。

「みんなが安心して楽しく暮らせるヌマヅ」を、その手に取り戻すために。
「『イマ』が最高」だと、高らかに歌い上げるために。
そして、「最高の『イマ』」を、その手に掴み取るために。

こぼれ話

前者ふたつが同じカテゴリに分類されるのはまだ理解出来るのだが

リコ「何ですか、この子たちは?! 先日から気になっていたんです。詳しく調べさせて下さい……!」

リコ「あなた、なんて可愛い生き物なの……!」

「珍しい生き物」を目撃したときの目の輝きが、「トキメキ」を感じた高咲のそれとめちゃくちゃそっくりなんですよ。
それはともかく、デカいワンコ・空飛ぶウミウシ・なんとも形容しにくい姿かたちをした使い魔・妖精が「珍しい生き物」として全部同じカテゴリに分類されるのはちょっと雑すぎやしませんかねという気持ちが出てくるところはあります。

ヨハネ「ちょっ、リコさん、少し危ないかも……!」

そして、この「危ない」がどういう意味で出てきた言葉なのかも、もうわかったもんじゃねえなという気持ちも出てくる。

前世からの付き合いだからね

マリ「こんなに笑ったの、久しぶり」
リコ「ずっと前から友達だったみたい!」

まあ、かれこれ八年以上も付き合いがあるわけだし。

それはそれとして、ヨハネの魔法の杖にしれっと九個の紋章が刻印されているわけなのですが、「『縁』を結ぶことで魔法の杖に紋章が刻印される」流れはイベントとしてきっちり処理してほしかったなという気持ちは出てくるんですよね。今まで何のためにそれを観せてきたのかと、思わず首を傾げる羽目になってしまう。

いわゆるひとつのヒヤリハット案件

ダイヤ・ルビィ・コハク「おおー……!」

一歩間違えば大事故に繋がりかねなかったのだから、もう少し危機感を持ちませんか、行政局の皆様。

今回のここ好きポイント

ヨハネ「せっかく仲良くなれたと思ったのに……。やっぱりわかんないな、自分以外のひとって……」
ライラプス「自分のことは何でもわかってるみたいだね」
ヨハネ「んあー、わかってるもん!」

「自分のことって、自分では案外わからないものだよね」という点において、ライラプスの言葉に共感出来るところがあります。OPの歌詞にも「わからない 自分なのに 自分のこと」・「ああ私は何がしたい?」とありますし。
さらに言うなら、この会話が今後のストーリーにおいて重要な役割を担いそうな予感もしてくるんですよね。

「自分」とは、自分自身にとって最も身近な存在。「灯台もと暗し」という言葉もある通り、身近であるがゆえに気づけないことは、案外たくさんあるんですよね。

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今回のここ好きポイント その2

ヨハネ「一緒に来てくれたら、ライラプス、調べ放題です」
リコ「……っ! 行きます!」
ライラプス「ええっ?!」

「なにそれこわい」って続くやつ。
個人的に、こういうのにはどうにも弱い。

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チカ・ダイヤ・ルビィ・ハナマル・ヨウ・カナン・マリ。そして、リコ。
「みんなが知ってるあの子」たちと「縁」を結んできたヨハネ。ついに九人が勢揃いし、平和なヌマヅを取り戻すために力を合わせて「異変」と立ち向かう。そんな「みんなが知らない物語」が動きはじめると思うと、ワクワクが加速して……、

ダイヤ「私たちはまだ出会ったばかりです。これから協力体制を図るためにも、もう少し互いを知る必要があると思います」
ルビィ「それなら! 女子会をしよう!」

ヨハネ「女子会……?」

ほんのりと、トンチキの香りがしてきましたね……。
何はともあれ、ちょうどトンチキを切らしそうになっていたんだ。助かる。