幻日のヨハネ 第七話「女子会ってなぁに?」感想 ~「縁」が「絆」に変わるとき~

皆様、こんにちは。
世間ではお盆休み真っ最中な今日この頃ですが、進捗いかがですか。


「花帆ぴょんだぴょん!」という幻聴が聞こえました。きっと、夏の暑さのせいだと思います。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『幻日のヨハネ』第七話」からの引用です。



夏に結びあわせた「絆」は

ルビィの提案で開催されることになった女子会。幹事に抜擢されたヨハネは張り切って準備を行いますが、連日の準備による疲労や慣れない気遣い、極度の緊張が重なって女子会の最中に倒れてしまいます。目を覚ましたヨハネは気張りすぎていた自分自身を省みることで、この女子会で「やりたかったこと」、そして「これからやりたいこと」に気づくのです。

ヨハネ「最初はみんなと話して、思い出作りたかっただけなのに……」

ヨハネ「みんなのことが知りたくて、みんなにも仲良くなってほしくて」

これまでのストーリーにおいて、様々なひとと出会って「縁」を結んできたヨハネ。今回のエピソードは、ヨハネが今まで結んできた、緩やかな結びつきである「縁」が、より強固な繋がりである「絆」へと昇華するための第一歩であるように感じられました。


ソフトボールに天体観測、お泊まりにスイカ割りにお菓子作り。同じ女子会でも、やりたいことはみんな「バラバラ」。まとまりも統率もあったものではありません。しかしながら、みんなが「バラバラ」で個性に満ち溢れているからこそ魅力的。その事実に気づいたからこそ、ヨハネは魅力的なみんなのことをもっと知りたいと、そして、魅力的なみんながもっと仲良くなってほしいと願ったのではないでしょうか。

あなたの「やりたいこと」って、なぁに?
あなたの「大好きなこと」って、なぁに?
出会ったばかりの私が知らないあなたのこと、出会ったばかりの私しか知らないあなたのこと。そして、誰も知らないあなたのこと。
私にもっと、あなたのことを聞かせてよ。みんなにも、あなたのことをもっと聞いてもらおうよ! 

そんなヨハネの願いが聞こえてくるかのように、わたしには思えるのです。
女子会終盤において、ヨハネがしおりを手に取ることなく、自分自身の言葉でみんなに語りかけたのも、「みんなのことも、もっと聞かせてよ」という彼女の願いの表れでもあるように、わたしには感じられます。


さらに言うなら、「みんなが『バラバラ』であり、だからこそ魅力的である」という理論はこれまでの「ラブライブ!」シリーズでも数多く語られており、こういったところからも「幻日のヨハネ」が「ラブライブ!」シリーズの一員であることを強く感じさせてくれるんですよね。

そして、「メンバそれぞれが『バラバラ』であり、だからこそ魅力的である」という理論は、今までの「アニメニジガク」や「ラブライブ!」シリーズでも数多く語られてきているんですよね(「無印」二期第六話が、その代表例でしょうか)。無論、これについては「作品の根幹をなすテーマだからこそ、手を替え品を替え、何度でも描いていく」という部分はあるかと思います。

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「もっと知りたい」・「もっと知ってほしい」というヨハネの願いこそが、彼女たちの関係性をさらに発展させるための第一歩。「縁」が「絆」へと昇華するための第一歩。わたしには、そのように思えてくるのです。

ヨハネ「夏祭りは私ひとりじゃなくて、ここにいる九人で歌いたい。私たちの歌を、想いを、みんなに届けたい!」

そして、魅力的なみんなに出会えたからこそ、ヨハネが抱く「歌」への想いは次のステージへと進んだのでしょう。その想いは「ヌマヅに襲いかかる『異変』に立ち向かうため」だとか「みんなが安心して楽しく過ごせる街を取り戻すため」という大義名分を飛び越えて、「魅力的なみんなと一緒に歌えたら、もっと楽しくなるに違いない」という純粋な予感から出てきた気持ちであるように、わたしには感じられるのです。
そして、「みんなが知ってるあの子」たちが集まって「みんなが知ってるあの子『たち』」になりつつあるこの展開、個人的には「そうきたか!」という気持ちも強く出てきて、ワクワクがさらに高鳴るところなんですよね。


「夢破れた出戻り少女の、歌と魔法と絆の物語」。
「縁」を結び「絆」を繋ぐ少女たちの「物語」は、そのキャッチフレーズが導く方向へ、また新たな一歩を進みはじめます。

もう一度、キミと出会えば

ヨハネ「意地張って、ヌマヅを出て、上手くいかなくて……。ひとりで悩んでた頃が、バカみたい……」
チカ「バカでもいいじゃん!」

かつて「ビッグになる」という夢を抱いてトカイへと出るも、その夢を叶えることが出来ず不本意な帰郷を果たしたヨハネ。そんな過去を思い返して自嘲する彼女に対して、「すごいよ、ヨハネちゃんは!」とチカは言いました。「ひとりでチャレンジすることを選べるヨハネちゃんはすごいと思う!」とも。
たとえ夢破れた過去であろうとも「チャレンジした」ことに意義を見出し、その過去を前向きなものとして捉えることでヨハネに寄り添ってくれるようなチカの言葉は、「サンシャイン!!」一期第十話においてピアノコンクールへと挑戦する梨子の背中を優しく後押しした千歌を思い起こさせるかのように、わたしには感じられるのです。
たとえ「みんなが知らない世界」で紡がれる「みんなが知らない物語」であろうとも、それぞれのキャラクタが持つ精神性は確かに「みんなが知ってるあの子」であると思えてきて、安心感と同時に感慨深さも出てくるところなんですよね。

さらに言うなら、チカたちの言葉で「バカみたいな過去もきっと無駄ではなく、みんなとの『絆』に繋がっている」という気づきを得たことは、きっとヨハネにとっての救いになったのだと、わたしには思えるのです。そして、その救いはヨハネが新たな一歩を踏み出すための推進力にもなるはずなのです。


きっと、これからのストーリーを通して、わたしたちは「みんなが知ってるあの子」たちに何度も再会するのでしょう。その予感が、わたしにはとても嬉しく感じられてくるのです。
あのまぶしい陽光に導かれてスクールアイドルに出会った、わたしには。

こぼれ話

トンチキ・イズ・どこへやら

ルビィ「女子会をしよう!」
ヨハネ・マリ・リコ・ダイヤ「女子会……?」

ほんのりと、トンチキの香りがしてきましたね……。

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前回のエピソードラストで感じた香りは、気のせいだったのでしょうか。予想外にもマジメなエピソードが展開されたので、拍子抜けにも似た気持ちが出てきたというところはあるんですよね。
マジメにやってくれるのも悪くはないのですが、そろそろ第三話のトンチキが恋しくなってきてしまうので、良くない意味で良くない。

どこから仕入れたの、その知識

マリ「聞いたことがあるわ……。『着飾った女子たちが集まって、わざとらしく笑いあう』会と……」
リコ「確か文献によると、『女子たちが本性を露わにしあう、恐ろしい集まり』と見かけました……」
ルビィ「なんか、ちょっと違う気がするけど……」

あまりにもド偏見に満ち溢れていて、大変良いと思います。

まさかの私服

まさか、さらなるパターンの私服が見られるとは思ってもいなかった。こちらは良い意味で予想外。やはり、女の子には色んなお洋服を着てほしいんですよね。

ヨウ「わあ、みんな私服だと、印象違うねえ!」

それはそれとして、みんなが普段着ているのは私服ではないのか……?

ボクっ娘なのかな

www.youtube.com

曲名は「GIRLS!!」なのに、一人称は「僕」なのか……、という気持ち。

今回のここ好きポイント

ダイヤ「ここに! 第一回ヌマヅ女子会の開会を宣言します!」
コハク「『宣言いたします』」
ダイヤ「宣言いたします!」

言い直す必要あったの?

今回のここ好きポイント その2

チカ「すごーい!」
ハナマル「ひろーい!」
チカ「すごい!」
ハナマル「ひろい!」

「サンシャイン!!」二期第四話でもそうだったけど、チカと組んだときのハナマルってIQがダダ下がりする傾向があるのではなかろうか。






ヨハネ「このまま、みんなと楽しくいられたらいいなあ……」

夏祭りでのライブという新たな目標と、仲間と繋いだ「絆」を胸に、さらなる一歩を踏み出すヨハネ。「みんなが知らない物語」も折り返し地点を迎え、より一層の推進力をもって進んでいく予感がしてくるんですよね。
それはそれとして、このセリフ、どことなくフラグめいて聞こえてしまうのはわたしの考えすぎでしょうか?

ヨハネの背後に流れる流れ星が示すのは、希望の未来か、あるいは……。