ラブライブ!スーパースター!! 二期第四話「科学室のふたり」感想 ~心のリミッターはずせば、無限の可能性~

皆様、こんにちは。
そろそろお盆休みもはじまる頃合いかと思われますが、進捗いかがですか。


「スーパースター!!」は書籍でのサイドストーリー展開もどんどんやってくれるというのが、個人的に嬉しいところとしてあります。紙媒体だというのもグッドポイント。見返したいときにラクなんですよね。
まあ、積読も一緒に捗ってしまうのが、唯一にして最大の難点なのですが(まだ二、三冊ほど読んでない関連書籍が……!)


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!! 二期』第四話」からの引用です。



「新しい私」へ、「新しい一歩」を

今回のエピソードは、「やりたいという気持ちこそが一番大事」という部分においては「いつもの『ラブライブ!』」を感じさせるというところが、個人的には大きかったんですよね。
むしろ、その前段階として「『向いている・向いていない』や『出来る・出来ない』で自分の可能性を狭めてはいけない」というスタンスを提示し、それを千砂都の気づきと決意、そして成長に繋げていくという展開に目を引かれたというところがあります。

千砂都「決めちゃってたよね、メイちゃん」
かのん「えっ? うん……」
千砂都「出来るって思えば、出来るかもしれないのに!」

恋「千砂都さんが……」
可可「部長を!?」
千砂都「迷惑かけるかもしれないんだけど、自分にも出来るんじゃないかって……。チャレンジしてみたいんだ」

当初はかのんに勧められても「そういうの、向いてないし……」と、スクールアイドル部部長になることに消極的だった千砂都。しかし、彼女は「私は(スクールアイドルに)向いてないって!」と語るメイに、そんな自分自身を重ね合わせたのでしょう。それと同時に、幼き日にかのんから言われた「ちぃちゃんは、自分が出来ないって思い込んでるだけ! だから大丈夫!」という言葉を思い出し、スクールアイドル部部長という大役への「チャレンジ」を決意するのです。


そして、この千砂都の決意が「『自分』がチャレンジしてみたいから」という理由だというのも、着目すべきポイントかなと思うところがあるんですよね。
今までの千砂都の行動原理は、かのんの存在が中心にあったというのは言うまでもないでしょう。「スーパースター!!」一期第六話を持ち出すまでもなく、それは明らかなこと。少なくとも、わたしにはそのように感じられます。
しかし、今回の千砂都は違ったのです。幼き日のかのんの言葉という後押しがあったにせよ、その決意は「『かのん』が勧めてくれたから」とか「『かのん』の助けになりたかったから」ではなく、「『自分』がチャレンジしてみたいから」というのが理由である。「かのん」ではなく「自分」が主体になっているというのは、今までの千砂都からすると想像も出来ないことだな……、という気持ちが出てくるのです。

この新たな「チャレンジ」は、きっと千砂都にとって「新しい私」を叶えるための第一歩になってくれることでしょう。わたしには、そのように感じられるのです。

「セルフイメージ」に立ち向かえ

これまでの「スーパースター!!」二期のストーリーは「『パブリックイメージ』に対して、どのように立ち向かっていくか」ということを予感させるものだったわけですが、今回は「『セルフイメージ』に対して、どのように立ち向かっていくか」というのを示していくのが、ストーリーとしてのポイントのひとつだったのかなと思うところがあるんですよね。

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メイ「わかるだろ! この顔だし、この性格だぞ。どう考えても向いてないだろ……!」

四季「こんな……、笑顔ひとつ上手に作れない子に……、スクールアイドルなんて、無理」

「私には向いていない」。
「私には出来ない」。
「私には無理だ」。

ネガティブな「セルフイメージ」は、まるで「呪い」のように自分自身を蝕み、そして縛り付けていく。その心に迷いを生じさせ、逃げ口上を与え、一歩を踏み出す勇気さえも奪っていく。そして厄介なことに、この「呪い」は自分ひとりでは解くのが難しい、言うなれば「困難」でもあるのです。その手強さは「パブリックイメージ」にも引けを取りません。


しかし、「私」ひとりでは解くことが出来ない呪いであっても、「私たち」であれば。「私」だけでは立ち向かうことが出来ないような困難であっても、「みんな」と一緒であれば。
「ほら、一歩目を一緒に飛ぼうよ」と言ってくれる誰かが、隣にいてくれたなら。


メイ「四季が近くにいてくれたら……、頑張れそうな気がするんだ」

「私たち」だからこそ、大いなる困難だって乗り越えることが出来る。「みんな」が一緒だからこそ、一歩を踏み出す勇気が湧いてくる。今回のエピソードにはそのようなメッセージが込められているように思えてくるんですよね。
そしてこれは、「みんなで叶える物語」をキャッチフレーズとして掲げる「ラブライブ!」らしさであり、「みんなのために歌いたい」・「音楽でみんなを結びたい」・「みんなで喜びを分かち合いたい」という思いを胸に走り続けるLiella!と「スーパースター!!」らしさにも繋がっていくメッセージであるなと、わたしには感じられるのです。

「ひとりひとりがスーパースター」であるために

きな子「きな子は、入ったときからかのん先輩が部長だと思ってたっす」
すみれ「当然の流れでしょ」

メイ「部長!? そうか、部長を決めて……。誰になった?! やはり澁谷さん!?」

「パブリックイメージ」という観点から見てみると、「Liella!を牽引する存在はかのんである」・「かのんこそがLiella!の中心人物である」という「パブリックイメージ」は、作中においても完全に定着しているように見受けられます(かのんを除いたLiella!メンバですら、その例外ではないのです)。しかしこの「パブリックイメージ」は、「スーパースター!!」一期第十話や二期第三話でかのんが語った「Liella!は全員がセンターである」という理想とは少なからずズレが生じているように感じられるのです。かのんもそのズレを感じていたからこそ、「スクールアイドル部部長は自分以外がやるべき」と考えたのではと思うところも、わたしにはあるんですよね。
この「パブリックイメージ」に打ち克てるかどうかということも、Liella!が「ラブライブ!」を勝ち抜いていくにあたってのキーポイントになっていくような予感がしてきます。

さらに言うなら、これからのストーリーにおいてLiella!が、そしてかのんたちが「パブリックイメージ」・「セルフイメージ」というふたつの「イメージ」に対してどのように向き合っていくのかというのも着目していくべきポイントなのかなと、わたしには感じられるんですよね。

こぼれ話

ベタながらもベターといったところがある

メイ「そういうことか……。まさか、お前もとはなあ……?」

こっそり振りコピしているのを「見ーちゃったー!」するの、「スーパースター!!」一期第四話のセルフオマージュ的な趣(おもむき)を感じさせられる。話数まで一致しているのは偶然なのか、あるいは……?

四季「顔、真っ赤」

メイ「顔、真っ赤だぞ?」

四季「すごく可愛かった」
メイ「可愛いとかじゃない!」

メイ「可愛い」
四季「い……、言わないで……」

さらに言うなら、序盤と終盤で構図を反転させてお出しするかのような展開も、個人的にはなかなか好みだなと思えるところがあるんですよね。

もはやムーブが「苦学生」のそれなんですよ

夏美「腰が……、夏美の腰が……。オニナッツですのー……!」

まさか、ガチ肉体労働にまで手を出しているとは。そこまでして、マニーが必要なのか……?
それはそれとして、Liella!へのメンバ入りが確定しているにも関わらず、これほどまでに関わりが薄いままストーリーが進むとは思わなかったというところはあります(夏美とまともに会話したの、きな子だけじゃないの……?)

彼女がいかにしてLiella!のメンバとなるのか、その導線はまだまだ未知数。今後の展開や、いかに。

ラブライブ!スーパースター!! 二期第三話「優勝候補」感想 ~次のステップへ、さあ進もう~ - メガネ(裏)

本当にどうなるんだよ、いやマジで。

今回のここ好きポイント

「ドアノブガチャ」を思い起こさずにはいられない。




メイと四季のふたりを新たなメンバとして迎え、さらにその賑やかさを増していくLiella!。
そして、次回は「最後のひとり」がついにストーリーに本格参加する気配も感じられて、期待感もますます高まってくるんですよね。


それはそれとして、「解説不要な例のアレ。」じゃあねえんだよ、「例のアレ。」じゃあ。




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