ラブライブ!スーパースター!! 二期第二話「2年生と1年生」感想 ~夢見るパワー、信じてみようよ~

皆様、こんにちは。
七月も終わりに近づき、猛暑もいよいよ本格的に牙を剥くことが予測される今日この頃ですが、進捗いかがですか。


ここしばらく続いている「ラブライブ!」公式の「コットンキャンディえいえいおー!」推し、一体何なんですかね……?
「電波曲」とか「ボブネミミッミ」とか「高熱のときに見る夢」などという評価で概ね固まっている「コッキャン」。それについては「九割くらい、MVのせいでしょ……」と思っていたところがあるのですが、ライブパフォーマンスを観る限り、その考えは改めなければならないのかもしれない。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!! 二期』第二話」からの引用です。



「最高の『イマ』」発、「最高の『未来』」行き

きな子「きな子が憧れたのは、こんなふうになりたいって思ったのは、優勝を目指して必死に頑張っている先輩たちなんです!」

「目指すは『ラブライブ!』優勝」=「練習がとても厳しい」というパブリックイメージがすっかり定着してしまったLiella!。このパブリックイメージのせいで新入部員が全然来てくれないという状況を打破すべく、かのんたちは練習メニューの負担軽減によるイメージアップを図るのですが、その方針に待ったをかけるものがいました。それは、その練習メニューについていけない当の本人であるきな子だったのです。

新入部員が慣れていないうちは練習メニューを負担の軽いものにする。確かにそれもひとつの方法ではあるでしょうし、きっと間違った選択肢ではないはず。新入部員が練習に慣れていくにつれて、その負担を増やしていくような方法だってあるわけですし(千砂都たちはそこまで言及していませんが、それはそれ、これはこれ)


「でも」。
きな子はそれでも、「でも!」と叫ぶのです。

彼女が憧れたのは、「大変でも前向きに頑張っている」かのんたちなのだと。


「『ラブライブ!』優勝」という目標のために、全力で駆け抜けるLiella!。しかし、きな子が「先導者」に見出したのは、むしろ「最高の『イマ』」を全力で駆け抜けていく姿だったのではないでしょうか。
「『ラブライブ!』優勝」という「最高の『未来』」をその手に掴むため、一瞬一瞬に悔いを残さないように精一杯走り抜ける。この瞬間が「最高の『イマ』」であるように、全力を尽くす。きな子が見たのは、そんなかのんたちの姿だったのではないでしょうか。

きな子「きっと、伝わると思うんです。大変でも、やりたいことを続けていれば、その先にある楽しさは大きくなるって。みんなが一緒にやってみたいって思うものが作れるんじゃないかって!」

そして、そんな「先導者」の姿に憧れたきな子だからこそ、このような言葉が出てきたのではないかと、わたしには感じられるのです。
「楽しいこと」と「厳しいこと」は、けして相反するものではないのだと。たとえ「『ラブライブ!』優勝」への道程がどんなに厳しくて大変なものであったとしても、その道程を精一杯駆け抜けるからこそ、「イマ」やれることに全力を尽くすからこそ伝わる「楽しい」が、きっとあるのだと。

彼女たちが「スクールアイドル」として活動出来るのは高校三年間というわずかな期間。しかし、「無印」劇場版で穂乃果や絵里も語った通り、「限られた時間の中で精一杯輝こうとする」こそ、スクールアイドルは「スクールアイドル」たりうると言っていいのではないでしょうか。
「だってだって、いまが最高!」と、高らかに、晴れやかに、胸を張って歌い上げる。その姿は「スクールアイドル」としてのひとつの到達点であるように、わたしは思うのです。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第十一話「過去・未来・イマ」感想 ~ヒカリを目指して、出発!Ready Go!~ - メガネ(裏)

「イマ」を、全力で輝くために。
「イマ」を、精一杯トキメくために。
「イマ」が最高だと、全力で伝えるために。

きな子が見たのは、「『ラブライブ!』優勝」という目標に向けて駆け抜けることで「スクールアイドルとしての到達点」にまで手を伸ばそうとする、そんなLiella!の姿だったのかもしれない。わたしには、そう感じられるのです。


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そして、そんな彼女たちだからこそ、雨上がりの屋上で高らかに、晴れやかに、胸を張って歌い上げるのでしょう。
「この瞬間(とき)目一杯に 夢見て精一杯さ」と。

「想い」を、あなたに託したくて

メイ「だったら、そのまま突き進んでくれよ」
きな子「えっ?」
メイ「自分がやりたい、目指したいって思ったことを信じてみろよ!」

今回のエピソードにおいて、きな子の背中を押したのはメイの言葉でした。
きな子からのスクールアイドル部への勧誘を断り、「スクールアイドルなんて興味ない」という姿勢を崩さないメイ。しかし、(少なくとも我々視聴者からすれば)それは本心から出てくる態度でなく、本当はスクールアイドルが大好きであるというのは、もはやバレバレなのです。それでも「スクールアイドルが大好きな自分」をひた隠しにしているのは、「強面なパブリックイメージ」とのギャップゆえに周りの目が気になってしまっているのではないかというのが、予測としてつくところはあるんですよね。

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おそらく、メイはきな子に「想い」を託したいのではないでしょうか。
スクールアイドルのことが大好きで、憧れていて、大声で応援したくて。でも、周りの目が気になってしまって、そういうわけにもいかない。だから、「興味なんてないんだ」という顔をするしかない。
そこに現れたのが、きな子の存在でした。「『ラブライブ!』優勝」という目標に向けて全力で駆け抜けるLiella!に憧れ、自分自身もスクールアイドルとしての一歩を歩みはじめたきな子。傍から見るとどう見ても練習についていけていないのに、先輩の後ろ姿を必死に追いかけようとするその姿は、どこか目をそらせず、放っておくことも出来なくて。もしかすると、メイはそんな彼女の姿に「輝き」や「トキメキ」を感じたのかもしれません。そして、今の自分では素直に表現することが出来ない「想い」を託したくなったのではないでしょうか。


「でも」。
わたしはそれでも、「でも」と思ってしまうのです。

メイは言いました。「周りの声なんて、気にするな」と。
でも、その言葉は、本当は自分自身が言ってほしい言葉なのではないだろうか。そして、もしその通りなのだとしたら、その「『周り』の声」とは、本当は「『誰』の声」なのだろうか。わたしは、そう思ってしまうのです。


ねえ、メイ。キミはそれでいいのかい?
誰かに「想い」を託すだけで、本当にそれでいいのかい?

こぼれ話

「発明品の実験台がほしかった」とかじゃなくてよかった

四季「お願いがある。メイを誘ってほしい、スクールアイドルに」

第一話においてきな子の背中を押すような行動を取った理由が、「スクールアイドルが大好きなメイの背中を後押ししたかったから」というものだった四季。そういえば「好きなもの」として真っ先にメイのことを挙げるのが、若菜 四季というキャラクタでしたね。予想してしかるべきだったか……?

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はたして、今後のストーリーにおいて、この疑問に対する答え合わせが提示されるときは来るのでしょうか(まあ、100%の期待は出来ないんだよなあ……)

ラブライブ!スーパースター!! 二期第一話「ようこそLiella!へ!」感想 ~「はじめまして」からはじめよう!~ - メガネ(裏)

そして、この件については正直済まなかったと思っている。


それはそれとして、第一話で四季がきな子に告げた「自分に、正直に……」という言葉。それはもしかすると、メイにこそ伝えたかった言葉なのかもしれない。周りの目を気にして「スクールアイドルが大好き」であることをひた隠しにするメイに対して、「自分に、正直に」なってほしいと願っているのかもしれない。わたしには、そう感じられるのです。
四季は、可能性を感じたのかもしれません。自分にはメイの背中を後押しすることが出来なくても、スクールアイドルとして一歩を踏み出したきな子であれば、あるいは……、と。
もしかすると彼女もまた、きな子に「想い」を託したひとりなのかもしれない。そのように、わたしには思えてくるのです。


「先導者」であり「同行者」として

かのん「きな子ちゃん!」
きな子「あっ、かのん先輩!」
かのん「えへへ、見つけちゃった。一緒に走ろ!」

ハードな練習メニューにまるでついていけず、それでも必死に先輩たちに追いつこうとするきな子に寄り添い、優しく励まし、支え続けるかのん。その姿は「スーパースター!!」一期序盤において、過去の「敗北」に囚われて思うように歌うことが出来なかったかのんに優しく寄り添い続けた可可を思い起こさせます。

「遥か先に立って導く存在」から「共に歩み、時には背中を押す存在」へ。「先導者」から「同行者」へ。
新たな関係性を示していこうという思いを、わたしは感じました。

ラブライブ!スーパースター!!第一話「まだ名もないキモチ」感想 ~つまずきも羽根にして~ - メガネ(裏)

スクールアイドルとしての一歩を踏み出すきっかけを与えてくれた可可は、かのんにとって「自分もそうありたい」と思わせる存在なんだなと感じられ、感慨深さまで出てくるところがあるんですよね。

出番の多さとインパクトの強さは必ずしも比例しないが

夏美「日経平均全面安! これは想定外ですの!」

日経平均全面安・イズ・何。

まあ、冷静に考えれば「動画の再生数が芳しくない」的な嘆きだろうというのは想像がつくのですが(まさか、ガチで株価を気にしているわけではあるまい……?)
それはそれとして、第二話にして出番とセリフが激減してしまった夏美。そのムーブは「スーパースター!!」一期序盤における平安名すみれのそれを思い起こさせるところがある。

今回のここ好きポイント

路肩を示す矢羽根付きポール! 雪国ではお馴染みの、路肩を示す矢羽根付きポールじゃないか!




新たなるメンバ・きな子を迎え、「『ラブライブ!』優勝」という目標に向かって、さらなる加速をつけて駆け抜けるLiella!。これは、今後の展開がますます楽しみになって……、

謎の少女「澁谷……、かのん……」

誰だアイツ?!