ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第二話「重なる色」感想 ~声を繋いで、思いを重ねて~

皆様、こんにちは。
「春うらら」の四文字が、日増しに色鮮やかになっていく今日この頃ですが、進捗いかがですか。


Liella!、ついに世界デビュー!
番組内にて行われたパフォーマンスも「What a Wonderful Dream!!」・「ノンフィクション!!」の二曲がまさかのフル尺、さらに「ノンフィクション!!」は正規衣装での披露という大盤振る舞い。ここまでやるとは思わなかったぜ。
まあ、ナレーションが全編英語だったおかげで、言っている内容が(控えめに言って)半分程度しか理解出来なかったのはご愛嬌ということで。


NHKといえば、「今日は一日“ラブライブ!”三昧」がまさかの第三段放送決定。現行コンテンツのスクールアイドルであるところのAqours・ニジガク・Liella!だけでなくμ'sのシルエットもあったり、ニジガクメンバに侑のシルエットも含まれていたりするあたり、「さすがNHK」という信頼感が出てくるところです。
個人的には「矢澤枠」の対談を聴いてみたい気持ちがありますが、はてさて。


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そして、「アニメニジガク」二期OPが、ついに解禁されましたね。疾走感あふれるメロディと十二人のメンバが織りなすパワフルなハーモニー、そして情報量過多ギリギリを攻めてくる映像がたまらないところです。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期』第二話」からの引用です。



私が「私」を証明するために

ランジュがゲリラライブを行っているという噂を聞きつけたエマ・彼方・璃奈・かすみの四人。ランジュを尾行し、そのライブを目撃した彼女たちは、ライブを終えたランジュに自宅へと招待されます。
そして、ここではランジュが持つスクールアイドルとしてのスタンスが、改めて提示されることになりました。

ランジュ「鐘 嵐珠は集まってくれたファンに最高のパフォーマンスを観せる。そしてファンは、鐘 嵐珠のステージに満たされる。アタシに注目するみんなの顔を見るのは、最高の気分よ」

鐘 嵐珠はあくまでも同好会には所属せず、ひとりでやっていく。「ファンに支えられる」ことを是とする同好会とは、その価値観が真正面から衝突しているから。そして、同好会に所属したら、ランジュが理想とするスクールアイドル活動が出来なくなってしまうから。

ランジュ「でも、アタシはこれからも同好会とは違うソロを追求していく。アタシ自身を証明するためにね」

そして、この場面で気になるのが、このセリフ。
思い返せば、ランジュは第一話においても「証明」というワードを用いていたんですよね。

ランジュは言いました。「アタシはアタシの正しさを、スクールアイドルフェスティバルまでに証明してみせるわ」と。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第一話「新しいトキメキ」感想 ~「トキメキを受け取ったもの」たちが出会うとき~ - メガネ(裏)

もしかしたら、ランジュには何か「証明」しなければならないことがあるのではないだろうか。「ひとりでもやれる」と「証明」しなければならないことが。わたしにはそう思えてくるのです。
そして、エマや彼方が語った「ランジュちゃんを見ていたら、本当のことを言ってないんじゃないかって思えたんだ」・「ランジュちゃんが言ってたこと、わかることもあるけど、わからないこともあるよね……」という違和感も、もしかしたら、そこに由来するものなのかもしれないとも感じられるんですよね。


ちなみに、これは余談なのですが、

ランジュ「あっ、あったわ!」

ショップでニジガクメンバのグッズを全員分購入していたり、

ランジュ「そんなこと、どうでもいいわよ。観に来てくれてありがとう!」

ライブを観ていた四人に対して満面の笑みでお礼を言っていたりと、「あくまでも、ランジュにはスクールアイドル同好会に対して『敵対』する意思はない」というのをきっちり示していたのは、(作劇として)なかなか好印象です。

ランジュ「あなたたちと同じステージに立つのは、スクールアイドルフェスティバルまで取っておきたいの」

そういう観点から見てみると、ランジュがエマからY.G.国際学園との合同ライブに誘われ、そしてその誘いを断ったこのシーンにおいても、純粋に「最大のお楽しみは、あとに取っておきたい」という気持ちが見えてくるように思えるんですよね。

重なり合う「思い」がシンクロして

ランジュに対して「同好会に所属しても、ランジュが理想とするスクールアイドル活動を行うことは可能である」と反論するエマたち四人でしたが、ランジュはけんもほろろな姿勢を崩しません。
しかし、エマたちは対話を、思いを伝えることをあきらめようとはしませんでした。彼女たちは「ライブを通じて、ランジュにその思いを伝える」ことを決心するのです。スクールアイドルが自らの思いや気持ちを伝えるための最良の手段。それは「ライブ」ですからね。そのことについては、わたしたちもよく知るところでしょう。
さらにエマは、彼方・璃奈・かすみの三人に、ある提案を行います。

エマ「ねえ、今度の合同ライブ、四人でやってみない?」

「アニメニジガク」一期において、旧スクールアイドル同好会はせつ菜と他メンバの方向性の違いから廃部という結末を迎えてしまいました。その経緯を踏まえて、新生スクールアイドル同好会で選択された方針が「ソロアイドル」。個性も価値観も方向性もバラバラな九人のスクールアイドルたちが、それぞれのステージで自分らしく輝くための手段。
そう、「ソロアイドル」という選択はあくまでも「手段」なのです。
わたしたちは観たはずです。第一回スクールアイドルフェスティバルでのラストステージ。そのステージに立った、九人のスクールアイドルの姿を。彼女たちは「侑に思いを伝えたい」という同じ願いを持っていたからこそ、ソロ活動の垣根を超えて同じステージに集いました。同じ願いをその胸に抱いているのであれば、「ソロアイドル」という「手段」にこだわる必要はないのです。
「アニメニジガク」一期での経験を得たからこその「四人で一緒にステージに立つ」という選択。エマたちの確かな成長が伺える展開に、思わず胸が熱くなるところです。
「ランジュに自分たちの思いを伝えたい」、そして「応援してくれるみんなと、気持ちをつなげたい」という同じ願いで繋がった四人。きっと、彼女たちは「水晶」のように透き通ったメロディとハーモニーを、ステージいっぱいに響かせてくれるのではないでしょうか。


ちなみに、これまた余談なのですが、


「エマ・彼方・璃奈・かすみの四人」が「一緒にブランコに乗る」というシチュエーション、「Swinging!」のジャケットイラストや、昨年十月に行われたユニットライブを彷彿とさせて、ニヤリとさせられますよね。


こぼれ話

デカいから、余計に存在感がすごいんですよ


「アニメニジガク」一期第七話における、彼方のライブシーンでも登場していた簀巻き彼方ちゃん。
あのときも「全部持ってっちゃう」レベルの強烈な印象を残してくれましたが、まさか再び出てくるとは思いませんでしたね……。

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今日もかすみんが可愛い

かすみ「むっきいー! くやしーですう!」

かすみ「うああっ! えっと、これはたまたま通りかかっただけというか……」

だいにわもかすみんがたくさんうごいていてとてもかわいかったのでよかったです。

それはそれとして、今回のかすみは一人称の「私」率がいつもよりも高かったように思います。
「スクールアイドル同好会と真っ向から衝突する価値観を持つランジュが現れたこと、そして彼女に対するファーストインプレッションが悪かったことで、少なからず心が乱されていた」あたりが、その主な要因といったところでしょうか……?

今回のここ好きポイント

かすみ「そして、もし『同好会に入りたいですうー!』って言ってきたら、全力で歓迎してやるんです!」

先述した通り、かすみのランジュに対するファーストインプレッションは、けして良いものではなかったはず。それは第一話でランジュのスタンスをはじめて聞いたときや、今回のエピソードで合同ライブ参加を断られたときの反応からも伺えます。他の三人がランジュに対して抱いた違和感に、かすみだけがピンときていない様子だったのも、そのファーストインプレッションの悪さがノイズとなっていたのではないかと思うところがあるんですよね。
しかし、かすみはエマたちとの対話によって「気づき」を得た。信頼する仲間から得られた「気づき」が、ランジュに対するインプレッションの悪さを解きほぐしてくれたんじゃないかと思えてくるのです。
「アニメニジガク」一期第二話でもそうだったんですけど、このように「『気づき』をきちんと受け入れることが出来る」ところが、かすみの魅力的な……、いや、「可愛い」ところとしてあるように、わたしには感じられます。

今回のここ好きポイント その2

かすみ「だって、同好会はいろんなアイドルがいられる、最高の場所なんですから!」

続いて、このシーン。
一期第二話でかすみが得て、そして受け入れることが出来た「気づき」。そしてそこから導かれた「世界で一番のワンダーランド」という理想は、今でもきちんとかすみの胸に刻みこまれている。
そう考えると、このふたつのシーンが相乗効果を生んで、より一層の感慨深さが出てくるところがあるんですよね。



「アニメニジガク」にも、ついにユニットが本格参戦しそうな気配が見えてきました。そして、そのトップバッターが、まさかエマたちになるとは……!
次回、そしてそれ以降の展開にも、大いに期待が持てるところですね。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期第一話「新しいトキメキ」感想 ~「トキメキを受け取ったもの」たちが出会うとき~

皆様、こんにちは。
耳をすまさなくとも春の足音がしっかりと聞こえてきそうな今日この頃ですが、進捗いかがですか。


さて、先日開催された「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 2nd LoveLive! What a Wonderful Dream!!」名古屋公演にて、さらなるライブ開催が発表されました。
……ちょっと待って。この日程、エグくない?
「First LoveLive! Tour」での十都市二十公演(+二公演)をほぼ毎週のペースで行っていたあのときほどではないにせよ、これはこれでなかなか濃厚なスケジュール。
さすがに現地参戦は無理なので、どこかしらで配信参加したいところですけど、はてさて。


それはそれとして、ついにはじまりましたね。「アニメニジガク」二期。
本来であればアニメ化の予定すらなかった「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」。それが今では、アニメ二期が放映されるまでになりました。わたしが(あるいは、わたしたちが)はじめてニジガクと出会った頃からは、想像もつかなかった未来が目の前にあるのです。わたしたちがあのとき彼女たちに託し、そして受け取った「トキメキ」を、再び彼女たちに手渡すときが来たのです。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 二期』第一話」からの引用です。



圧倒的「女王」感!

「アニメニジガク」二期において誰もが注目するであろうポイントと言えば、やはり「R3BIRTH」の三人、特にランジュがいかなるムーブを見せてくれるかということでしょう。

そのムーブは想像を遥かに上回るほどの「強者」……、いや、「女王」と言うべきものでした。


オープンキャンパスにて第二回スクールアイドルフェスティバルのPVを放映し、その開催を大々的にアピールしようと考えた、侑たちスクールアイドル同好会。しかし、当日のスクリーンに映し出されたのは……、

かすみ「な、なななななな、なんですか、これはー!!」

まさかの没データ。
いや、わたしたち視聴者からしたらフラグはあちこちに見え隠れしていたわけなのですが、それはそれ、これはこれ。

想定外の事態に慌てふためき、その対応に追われる侑たち。
その最中、颯爽と姿を現したのは……、

ランジュ「無問題ラ! 任せなさい!」

そう、ランジュです。

「アニメニジガク」一期にて開催された第一回スクールアイドルフェスティバルを観て「トキメキ」を受け取り、自身もスクールアイドルとなるために、はるばる香港からやってきたランジュ。彼女は「伝説のはじまりを、心に刻みなさい!」と高らかに宣言し、鮮烈な「デビューステージ」を披露します。
まさか、「アニメニジガク」二期におけるライブ披露のトップバッターが、ランジュになるとは……!


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そびえ立つアクアリウムをバックに、圧倒的なライブパフォーマンスを見せるランジュ。
わたしは、彼女のパフォーマンスを観て、あるスクールアイドルのステージを想起させられました。


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それは、「アニメニジガク」一期第三話で披露された、せつ菜のライブです。

ランジュのライブは、バックにそびえ立つアクアリウムだけでなく、挿入されるカットインにおいても「水」を想起させるシーンが数多く含まれています。それはあたかも、巨大プールを眼前にしたパフォーマンスを行い、自らも水中深くへと「DIVE!」したせつ菜のライブのようです。また、「多くの観衆を前にして」、その観衆よりも「(物理的に)高いステージで行われる」パフォーマンスであるという点についても、せつ菜のライブとの類似性を感じさせます。
その一方で「太陽光が降り注ぐ青空の下でパフォーマンスするせつ菜」と「人工光に照らされた暗闇の中でパフォーマンスするランジュ」とで対になっているのが、なかなか興味深いところなんですよね。

侑たちスクールアイドル同好会にとって「先導者」とも言える存在である、ニジガク屈指の実力者・優木せつ菜。
鐘 嵐珠というスクールアイドルは、その優木せつ菜にも匹敵するポテンシャルを持つ「女王」であると知らしめる。これは、そんなライブパフォーマンスであったように、わたしには感じられたのです。


さて、ランジュの活躍によってトラブルから脱出した侑たちは、ランジュに対して感謝と称賛の言葉を浴びせます。
しかし、そんな彼女たちに対して、ランジュは衝撃的な言葉を口にしました。

我らが「主人公」も、負けちゃいない!

ランジュ「入部は止めるわ。」
歩夢「……えっ?」
ランジュ「あなたたちとは、考え方が違うみたいだから」

「アイドルがファンに夢を与えるのは素晴らしいことよ。でも、与えるだけでいい。誰かに支えられなきゃパフォーマンスも出来ないアイドルなんて、情けないわ」と語るランジュ。
その価値観は、スクールアイドルとファンとの繋がりを大切にするニジガクのみんな、もとい今までわたしたちが出会ってきた数多くのスクールアイドルたちと真っ向から衝突するものと言ってもいいかもしれません。

「みんなのために」というLiellaの「想い」が学校のみんなを動かし、「Liella!のために」という学校のみんなの「想い」がまた、Liella!を動かす。双方向性の「想い」によって、彼女たちはひとつに結ばれるのです。

ラブライブ!スーパースター!!第十二話「Song for All」感想 ~今、動きはじめた僕らの物語~ - メガネ(裏)


さらにランジュは、侑に対して問いかけます。

ランジュ「もう一度聞くわ、侑。あなたはどうして同好会にいるの?」


スクールアイドルでない侑は、同好会にいるべきではない。それがランジュの考えなのでしょう。
しかし、侑はランジュに対してひるむことなく語ります。

侑「でも、やりたいことをやりたいって気持ちだったら、私だって負けてないつもり!」

侑「私だって私のやり方で、この同好会で、夢を叶えたいって思っている!」

「アニメニジガク」一期において「音楽をやりたい」という「夢」を手に入れ、今まさにその「夢」に向かって歩みを進めている侑。しかし、彼女の「夢」はそれだけではないはず。「大好き」なスクールアイドルを、一番近くで応援すること。それもまた、彼女にとっての「夢」であり続けているのではないでしょうか。
わたしたちは見てきたはずです。これまでの「アニメニジガク」において、彼女の心がいかに「大好き」で満ちあふれ、そしてそれを余すことなく爆発させてきたのかを。
そんなあふれんばかりの「大好き」を、そして「夢」を持っている侑だからこそ、ランジュに対しても一歩も引くことなく、ノータイムレスポンスで、そして真正面からその思いを語ることが出来る。そのように、わたしには思えるのです。

相対するふたつの価値観

「スクールアイドルと、それを応援してくれるファンとの繋がりを大切にしたい」スクールアイドル同好会と、「ファンに対して夢を与え続ける、圧倒的存在でありたい」ランジュ。このようなスクールアイドルとしてのスタンスの違いから、(現時点においては)両者は袂を分かつことになりました。

ランジュは言いました。「アタシはアタシの正しさを、スクールアイドルフェスティバルまでに証明してみせるわ」と。
しかし、これらの価値観を「正しい・正しくない」の二元論として語ることについては、なんとなく渋い顔が出てきてしまうところが、わたしにはあるんですよね。
侑は言いました。「スクールアイドルフェスティバルは、『好き』っていう気持ちさえあれば、誰でも参加出来るようなお祭りにしたいんだ」・「いろんなひとたちが、『好き』を伝えあえればいいなって」と。
スクールアイドルも、そのファンも、そのスタイルや表現方法は千差万別であれど、根源にあるのは「大好き」というプリミティブな気持ち。根源が一緒であるからこそ、ランジュの価値観が正しいとか、侑たちの価値観が正しくないとか、そういったものは本来的に存在しないのではないかと、わたしは感じるのです。
いろんなかたちの、ありとあらゆる「大好き」が受け入れられる場所。ニジガクのみんなが理想とするスクールアイドルは、そのようなものだったのではないのでしょうか。だからこそ彼女たちは、それぞれが違うかたちの「大好き」を表現するために、ソロアイドルとして歩みはじめたのです。
そして、逆もまた真なり。
ランジュの価値観もまた、否定されることがあってはならないと、わたしは思います。ランジュがその心に抱く「スクールアイドルへの『大好き』」だって、本来的には独りよがりなものでないはずなのです。あふれんばかりの「大好き」を、自由に、素直に、思うがままに表現したい。そんな気持ちは、他のスクールアイドルと何ら変わりはないのですから。たとえ彼女の価値観が、今まで我々が出会ってきたスクールアイドルと真っ向から衝突するようなものであったとしても、それが「正しくない」とされることはあってほしくないなと、わたしは感じているのです。

相対するふたつの価値観のぶつかりあいが、今後のストーリーにおいてどのような着地点を見せるのか。これからの展開が待たれますね。

こぼれ話

これもまた、ひとつの伝統……?

愛「頑張れー、かすみん!」
彼方「講堂で歌えるかの、瀬戸際だよー?」
かすみ「プレッシャーかけないで下さいよう!」

果林「……そう、当日はライブ出来ないのね」
愛・彼方「面目ない……」
かすみ「くやしーですう!」

「矢澤枠」のクジ運が悪いのは 「無印」・「サンシャイン!!」でも見受けられたところですね。これはちょっと覚悟しておいたほうが良いんじゃないですかね、平安名すみれさん……?


それはそれとして、

かすみ「でもなんだか、行けそうな気が、してきましたぁー!」

我が魔王……?!
まさかの、我が魔王……!?

今日もかすみんが可愛い

かすみ「でも、その前に……」

かすみ「ダメですっ! 三人揃ったら、また『このシーンが気になる』ってなっちゃうに決まってますっ!」

かすみんがたくさんうごいていてとてもかわいかったのでよかったです。

今回のここ好きポイント

実はPVが公開されたときから、このシーンの栞子の背中が大好きなんですよね。
中途半端に挙げられた右手、「また、止められなかった……」とでもいうかのような哀愁に満ちた背中(十六歳の女子高生が醸し出していい雰囲気ではない……!)
きっと彼女は、今までもランジュにさんざん振り回されてきたんだろうし、これからも思う存分振り回されるんだろうなと思うと、涙を禁じ得ないのです。

今回のここ好きポイント その2

その直後のシーン。
侑がこんな表情をしているのって珍しい気がする。




第一話から、想像以上に波乱の展開を見せてくれた「アニメニジガク」二期。これは次回からのストーリーにも期待が持てるところです。


それはそれとして、この特典、めちゃくちゃネタバレになってない?!
結局、三人ともスクールアイドル同好会に入るんじゃねーか! いや、わかっていたことだけど!!




Into the "Virtual School Idol"! ~新たな「物語」を叶える場所へ~

皆様、こんにちは。
春の足音が聞こえてきそうで聞こえてこない、そんな今日この頃ですが、進捗いかがですか。
年が明けてから、例年よりも気候が暖かいように思えるのですが、もしかして、わたしが住んでいる地域だけなのでしょうか。まあ、過ごしやすくて何よりなんですけどね。


さて、二月二十八日。
Aqours6thライブやニジガク4thライブの余韻も冷めやらぬなか(生憎、わたしはどちらも観ることが出来ませんでしたが……)、「ラブライブ!」シリーズの新プロジェクトが発表されました。

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バーチャルスクールアイドル。

この発表を見た瞬間、目ン玉をひん剥かなかったといえば嘘になるんですよね。
さらに言うなら、「なんだ、このキテレツ一歩手前ワードは……?」という気持ちが出てきてしまったところまであります(冷静に考えれば、「スクールアイドル」という概念もそれなりにキテレツではあるのですが、それはそれ、これはこれ)

しかし、改めてこの発表を見て、わたしは考えたのです。
バーチャルアイドルって、実は『ラブライブ!』における最適解のひとつなのではないか?」と。


かつて、レジェンドスクールアイドルたちは言いました。「やりたいという気持ちさえあれば、誰でもスクールアイドルになれるんだ!」と。
しかし、その言葉を聞いて「はたして、本当にそうなのだろうか?」と思ったひともいたのではないでしょうか。

例えば、「男性」。
これまでの「ラブライブ!」シリーズにおいて、男性スクールアイドルは存在しませんでした。もちろん、これからの展開において男性スクールアイドルが現れる可能性はないとは言い切れませんが、十年以上続いているシリーズであるにもかかわらず、未だに男性スクールアイドルがいないということを考えると、これからも出てこないのではないか、というところが個人的な考えとしてあるのです(「アイドルマスター」シリーズをはじめとした、他の二次元アイドルコンテンツとの差別化というところもあるのではという気はするのですが、それはそれ、これはこれ)
おそらく、「ラブライブ!」世界において男性スクールアイドルは存在しない、あるいは存在していたとしてもごく少数で、ほとんど認知されていないのでは……、と思えてしまうんですよね。

また、スクールアイドルも「アイドル」である以上、「歌」や「ダンス」は切っても切り離せない関係と言っていいでしょう。メタ的に考えても、「歌」や「ダンス」、そして、それらを主体とした「ライブ活動」は「ラブライブ!」というコンテンツを支える大きな柱となっているのは言うまでもないところです。
しかし、そうなってくると、何らかの事情で「歌えない」・「踊れない」ひとは、スクールアイドル活動を行うにあたって大きなハードルが存在する。スクールアイドルをやるにあたって最も大切な、思いや気持ちを表現するための「手段」を手にすることすら出来ない。そう言ってもいいのではないかと思えるのです(かのんだって、最初のうちは「人前で歌えない」ことから、スクールアイドルをやることに難色を示していましたよね)


しかし、「バーチャルアイドル」であれば。

「肉体」というハードルを飛び越えて、思いや気持ち、そして「大好き」を思うがままに伝えることが出来る、そんな存在ならば。
きっと「彼女」は、とても素敵なスクールアイドルとなれるのではないでしょうか。わたしには、そう思えてくるのです。




……まあ、現在公開されている情報がティザーサイトとティザーPVだけである以上、バーチャルスクールアイドルがどのような「物語」を紡いでいくのかは未知数であるというのも、またひとつの事実。ここまで色々と書いてはみましたが、正直な話をすると「そこまで踏み込むのか……?」という気持ちも無きにしもあらずなんですよね。
それでも、「どこに向かうか まだわからないけど 面白そうな未来が待ってると」信じながら、ゆっくり続報を待つことにしましょうか。


原宿へ行ってみた。 ~いわゆるひとつの聖地巡礼~

皆様、こんにちは。
乾燥した時間にノドを痛めそうになる今日この頃ですが、進捗いかがですか。


昨年末、ふたつのライブが開催されました。「LoveLive!Sunshine!! Aqours EXTRA LoveLive! ~DREAMY CONCERT 2021~」と「LoveLive! Series Presents
COUNTDOWN LoveLive! 2021→2022 〜LIVE with a smile!〜」です。
「COUNTDOWN LoveLive!」は、2020年に開催された「LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ!フェス」以来となる、「ラブライブ!」シリーズの垣根を超えたライブ、しかもシリーズ史上初となる有観客でのカウントダウンライブということで、否が応でもワクワクが止まらなくなります。また、「ラブライブ!サンシャイン!!」から本格的に「ラブライブ!」シリーズにハマり込んだわたしとしては、Aqoursにとって2021年最初で最後の単独ライブとなる「Aqours EXTRA LoveLive!」にも注目せざるを得ないところ。

そういうわけで、わたしもライブチケット争奪戦に参加。
そして、無事に「Aqours EXTRA LoveLive!」と「COUNTDOWN LoveLive!」、両方のライブチケットを入手することが出来たのでした。あのときは、一年分の運を使い果たしたかと思いましたね……。


しかし、ここで、ちょっとした問題が発生したのです。
わたしが入手した「Aqours EXTRA LoveLive!」のライブチケットはDay1、つまり12/29のもの。そして「COUNTDOWN LoveLive!」は12/31開催。つまり、12/30がまるまる空いてしまうのです。せっかくのイベント遠征、これではもったいない。


そこで、わたしは考えました。
「そうだ 原宿、行こう。」と。


いざ、聖地へ

原宿駅

そういうわけで、遠征の拠点としていた神奈川県某所から電車でおよそ四十分。原宿駅に到着です。こちらは竹下通り側の改札ですね。


こちらは表参道側。


アニメ第一話と同じ構図で。

(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

比較用。
言うほど同じ構図にならなかった。


アニメ第五話で、かのんたちがSunny Passionを見送った辺り。


ここのすぐ近くにある五輪橋は、「未来は風のように」のジャケット背景にもなっていますね。



竹下通り


原宿駅から降りてすぐ、目と鼻の先にありました。


到着早々、Liella!の横断幕がお出迎え。
それはそれとして、もしかして「星乃珈琲店」って、アニメの竹下通りに存在していた「HONOKA COFFEE」の元ネタだったりするのかしら……?






その他にも、ちょうどコラボ期間中ということもあるのか、あちこちにかのんたちの姿が。時間帯によっては、「未来予報ハレルヤ!」も流れていたようです。


こんな横断幕もありました。
ちなみに、後ろに見えているのは……、



(「ラブライブ!スーパースター!!」第二話より)

すみれが「うわあ、おいしそー!」していたクレープ屋さんですね。


それはそれとして、竹下通りを普通に歩いて往復すると十分くらい掛かったんですよね。そういうわけなので、ここを「十往復」(少なく見積もっても、所要時間一時間半!)したがるすみれは、周りから呆れられてもしょうがないよな……、という気持ちになったところはあります。


神宮前交差点

キービジュアルや、アニメ第一話冒頭で出てきた交差点です。


かのんたちに見えていた景色は、こんな感じだったのでしょうか。
ちなみに、キービジュアルと同じ構図は撮りそこねました。せっかく来たのに、何をやってるのか。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)


(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

アニメ第一話にて、かのんと可可がファーストコンタクトを果たしたのも、この交差点なんですね。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第二話より)


(「ラブライブ!スーパースター!!」第四話より)

「Linkle」や「Seize」も、この交差点付近にあったんですね。それはそれとして、「Linkle」がラーメン屋さんだとは思いもしませんでしたね……。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

アニメ第一話のエピソードタイトルでも使われた、ハチ公バスにも遭遇しました。可愛い。


あと、この交差点近くにはこんなものもあったり。まさか、すみれの決めゼリフって、ここから取られていたのか……?


ブラームスの小径/フォンテーヌ通り/モーツァルト通り/教会通り

かのんの自宅周辺。まさしく文字通りの「小径」で、「知らなかったら、絶対こんなところにたどり着けないな……」ってなりましたね。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

(「ラブライブ!スーパースター!!」ED主題歌 第二話Verより)

かのんの自宅近く。さすがに喫茶店はなかった。



(「ラブライブ!スーパースター!!」ED主題歌 第二話Verより)

EDで、ねこと戯れていた階段もすぐ近くに。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第二話より)

第二話で、「歌えたー!」していた辺り。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

通学路。
ここに限った話ではないんですけど、アニメで見るよりも、めちゃくちゃ道幅が狭い印象なんですよね。竹下通りも、あの道幅で自動車が通っていたのが恐ろしいくらいで。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)


(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

第一話での登校中に、同級生と出くわした辺り。
この辺りは、なぜか再現度が低めなんですね。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

かのんが「うっかり歌っちゃった」辺り。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

教会通りの出口付近。
アニメ第一話にて、道路にタイトルが描かれていたのが印象的でしたね。


キャットストリート

「未来は風のように」ゆかりの場所が多めのスポット。
ちなみに、上の写真はキャットストリートの入口付近なのですが……、

千砂都「私は……、『嵐 千砂都』は信じてる。『澁谷かのん』を!」
(「ラブライブ!スーパースター!!」第十一話より)

だいたいこの場所です。

笑たこ 原宿表参道店

たこ焼き屋さん。
アニメ本編には直接出てこない(ような気がする)のですが……。



(「ラブライブ!スーパースター!!」ED主題歌 第二話Verより)


(「ラブライブ!スーパースター!!」ED主題歌 第二話Verより)

お店の裏手が、EDで可可がいた場所なんですね。

adidas Originals Flagship Store Harajuku


(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

「無印」・「サンシャイン!!」におけるUTX高校前巨大モニタ的な場所。
言われてみれば、アニメにおけるこの場所のロゴマークも、アディダスっぽいかもしれない。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

「未来予報ハレルヤ!」MVにて、すみれがいた場所もこの辺り。

ALLSAINTS HARAJUKU CAT STREET


(「ラブライブ!スーパースター!!」ED主題歌 第二話Verより)

EDにて、恋がいた辺り。

Garland表参道


(「ラブライブ!スーパースター!!」ED主題歌 第二話Verより)

こちらは、すみれがいた辺り。

TUMI 原宿表参道店


(「ラブライブ!スーパースター!!」ED主題歌 第二話Verより)

千砂都がいた辺り。


穏田神社

すみれの自宅。
キャットストリートからすぐ近くにありましたね。


実は最初、裏手から入ってしまった。


社殿。アニメで見るよりも小さめな印象。


絵馬(ヴェルデではない)
いわゆる「痛絵馬」もありましたね。



(「ラブライブ!スーパースター!!」第十話より)

おいなりさん。
アニメ第十話にて、すみれがスクワットしていたのもこの辺りですね。


表参道通り

歩道橋


(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

「未来予報ハレルヤ!」MVにて、恋がいた歩道橋。

表参道ヒルズ 同潤館


(「ラブライブ!スーパースター!!」第一話より)

可可の自宅。
中に入ることも出来るっぽいけど、今回はスルー。

秋葉神社

(「ラブライブ!スーパースター!!」第十一話より)

アニメ第十一話で、千砂都と可可が立ち寄った神社。
工事中だったので、これ以上近寄れませんでした。残念。

原宿ゲーマーズ

聖地とはちょっと違いますが、原宿ゲーマーズにも立ち寄ってみました。


店内には巨大タペストリが。
あと、店員さんが千砂都と同じ髪型で可愛かった。


Liella!は、そこにいた

もちろん、かのんたちもLiella!も架空の存在。This is フィクション。それはわかっているところなのです。しかし、今回の聖地巡礼で「かのんたちも、ここにいたんだな」・「この街に、Liella!がいたんだな」という気持ちになったのも、また事実なんですよね。
今回は南青山の辺りにはあまり立ち寄れませんでしたし、「始まりは君の空」ゆかりの場所が多く存在する(らしい)渋谷にも行けていないので、機会があったら、また行ってみたいものです(そして、キービジュアルと同じ構図での写真を……)。


おまけ その1

冒頭でも書いたのですが、今回の遠征の主目的は「LoveLive!Sunshine!! Aqours EXTRA LoveLive! ~DREAMY CONCERT 2021~」と「LoveLive! Series Presents
COUNTDOWN LoveLive! 2021→2022 〜LIVE with a smile!〜」でした。

そういうわけで、



会場のぴあアリーナMM。
今となっては「めちゃくちゃ楽しかった」という記憶しか残っていない。


おまけ その2

カウントダウンライブ翌日。
わたしは秋葉原駅に降り立っていました。お目当ては……、


神田明神です。
「無印」プチ聖地巡礼といったところでしょうか。





駅を降りると、Liella!メンバがお出迎えしてくれました。思わぬサプライズ(行く機会がなさそうだったから、コラボ情報を完全にスルーしてたんですよね……)




万世橋昌平橋
万世橋は、最近だと「新幹線変形ロボ シンカリオンZ」に出てきた印象のほうが強かったかもしれない。




神田明神に到着。案の定、めちゃくちゃ混んでいました。
もし「ラブライブ!」に関係なかったとしても、初詣となれば、そりゃ人手は多くなるよなって。




男坂。μ'sやAqoursも登っていたあの石段ですね。
「女坂」もあるらしいと聞いていましたが、ちょっと場所がわからなかった。またの機会があったら探してみたい。


秋葉原駅に戻って、UTX高校、もとい秋葉原UDX


ニジガクの面々も発見しました。これまたノーマーク。
すぐ近くにガンダムカフェがあって、「キミたち、こんなところでもガンダムに縁があるのか……」ってなりましたね。




「無印」や「サンシャイン!!」、「ニジガク」の聖地巡礼にも行ってみたいなとは思うのですが(特に「サンシャイン!!」。沼津・内浦はぜひとも訪れたい……)、いつになることやら……、というのはありますね。
まあ、気長にその機会を待つことにしましょうか。焦ることはないさ。

ラブライブ!スーパースター!!第十二話「Song for All」感想 ~今、動きはじめた僕らの物語~

皆様、こんにちは。
秋が足早に通り過ぎて、もはや冬の足音すら聞こえてきそうな今日この頃ですが、進捗いかがですか。


物語の終わりというものは、いつだって「楽しみな気持ち」と「寂しい気持ち」が入り交じるような、不思議な気持ちにさせてくれるんですよね。

ラブライブ!スーパースター!!第十一話「もう一度、あの場所で」感想 ~信じることが大事だと、自分に言い聞かせたら~ - メガネ(裏)

前回の記事ではこういうことを言っていましたが、TV番組概要欄に「終」の記載がついているのを見ると、やはり寂しい気持ちのほうが勝ってしまう部分はあるんですよね……。
とは言え、物語には必ず終わりがあるのです。そして、わたしたちはそれを見届けなければならないのです。


それでは、本編の詳しい感想をやっていきましょう。
※以下、画像はすべて「TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』第十二話」からの引用です。



いざ、「みんなで叶える」ステージへ

ラブライブ!」東京大会を控え、練習にもより一層熱が入るLiella!。
そこに入ってきたのは、その東京大会の詳細なレギュレーションでした。

シブヤリポーター「今回はリモートでそれぞれの学校ゆかりの場所からの生中継!」

可可は「今回のルールはかなり特殊デス!」と解説していましたが、「無印」二期第三話あたりで似たようなのを見た気がしたりしなかったり。
それはそれとして、ライブ会場選定も大会突破の重要なファクタとなったことで思い悩むLiella!メンバ。「スクールアイドルのライブ」にふさわしい会場探しはなかなか捗らず、かと言って自分たちでステージ設営を行うとなると、練習時間確保についても気になるところ。

そんな中、頼もしい助っ人が現れました。

ヤエ「ステージのことは私たちに任せて、かのんちゃんたちは練習に集中!」

ナナミ・ヤエ・ココノをはじめとする学校のみんなが、ステージ設営に協力してくれることになったのです。


「みんなのために歌いたい」・「音楽でみんなを結びたい」。今まで、そのような想いを胸に歩んできたかのん、そしてLiella!。彼女たちの想いに、学校のみんなも行動を以て応えてくれた。そのようなシーンであると思えてくるんですよね(似たような構図は第八話にもありましたが、あれは「普通科と音楽科の対立関係解消」を描写したというところが強いかなという印象なので……)
やはり、この物語は「ラブライブ!スーパースター!!」であるとともに「ラブライブ!」である。つまり「私を叶える物語」であるとともに「みんなで叶える物語」であるのだということを、強く感じさせてくれます。
第十一話で「かのんの『私を叶える物語』」をフィーチャし、今回で「Liella!の『みんなで叶える物語』」についてフィーチャしようとしているのかなと思わせるところもありますよね。


そして、ついに完成したステージ。
数多の星々が散りばめられ、まさに「みんなで叶える物語」を具現したかのような、Liella!の晴れ舞台。
そのステージのセンターに立つかのんは、高らかに宣言するのです。

かのん「このステージに立って、この景色を見て、私は胸を張って言えます。結ヶ丘の生徒になれてよかったって! この学校が一番だって!」

「みんなのために」というLiellaの「想い」が学校のみんなを動かし、「Liella!のために」という学校のみんなの「想い」がまた、Liella!を動かす。双方向性の「想い」によって、彼女たちはひとつに結ばれるのです。

ひとつになった「想い」を胸に、Liella!は決戦のステージに挑みます。

「先導者」、Sunny Passion

さて、時間軸を少しだけ遡ります。
ライブ会場選定に悩むかのんの前に、ある人物が現れました。

摩央・悠奈「おかえりー」
かのん「ええっ?!」

Sunny Passion、再襲来。
東京大会に向けての買い出しに来たというSunny Passionのふたりに、かのんはかねてより胸の内で燻っていた思いを打ち明けます。

かのん「みんなは『優勝だ!』・『勝ったら全国だ!』とか言うんですけど、私は、歌で勝ったり負けたりってあんまり……」

元々、「歌える場所」を見出したことでスクールアイドルとなったかのん。その後、スクールアイドルとして歩む過程で様々な経験を重ね、第十一話において「歌うことが楽しい」・「歌うことが大好き」という気持ちを完全に取り戻して「あの場所」でのライブを達成した。これによって、彼女の「私を叶える物語」はひとつの到達点を迎えたと言っていいと思うのです。
「歌えないかもしれないという不安があったからこそ、今は歌えるだけで幸せ」と語るかのん。言うなれば「いまが最高!」である彼女にとって、「歌で競い合うこと」については今ひとつピンときておらず、気持ちも追いついていない様子です。


そんなかのんに、Sunny Passionは「『ラブライブ!』で競い合うことによって、スクールアイドルのレベルが格段に向上した」事実を指摘。そして、それと同時にこう告げるのです。

「『ラブライブ!』で歌えば、すぐ気づくはずよ」と。


やはり、こういうのを見ると「Sunny Passionは、かのんたちにとっての『先導者』なんだなあ」と思わせてくれるんですよね。
可可にとってはスクールアイドルへの道を志すこととなった直接的なきっかけであり、かのんや千砂都にとっては先輩スクールアイドルとして、そしてトップランナーとして、スクールアイドルとして歩んでいくうえでの足掛かりをさり気なく示す、そんな存在。
μ'sにとって「超えるべき壁」であったA-RISEや、Aqoursにとって「一番の好敵手」であり続けたSaint Snowとはまた違った「ライバルグループ」像を示してくれたなと思うところがあります。

「敗北」からはじまる物語

時間軸を元に戻しましょう。
東京大会進出をかけたライブが終わり、いよいよ運命の結果発表が訪れます。

結果は二位。
結成して一年にも満たないスクールアイドルグループが残した結果としては、あるいは期待以上・予想以上のものだったのかもしれません。しかし、全国大会に進出出来るのはたった一グループのみ。

Liella!は、「敗北」したのです。


かのんは、このとき気づいたのかもしれません。
「勝利」することは、「想い」を受け取った者の責務であるのだと。
「敗北」してしまえば、受け取った「想い」が無駄になりかねないということを。

しかし、かのんは同時に気づいていたのでしょう。
たとえ「敗北」してしまったとしても、そこですべて終わりになってしまうわけではないということを。
本当の終わりとは、「敗北」に屈して、立ち止まってしまうことなのだと。

数多くの「敗北」を経験し、一度は歌うことをあきらめようとしたかのん。しかし、結ヶ丘に入学した彼女は可可と、そしてスクールアイドルと出会い、「あきらめない気持ち」を受け取りました。そして、自身もスクールアイドルとなって、今日まで歩んできました。
ラブライブ!」東京大会という大舞台に立つことが出来たのも、「あきらめない気持ち」に導かれ、「楽しい」や「大好き」というキラキラした気持ちを胸に刻み、立ち止まることなく歩んできたからなのです。
きっと、かのんはそのことに気づいていたはずだと、わたしは思うのです。

だからこそ、あふれる涙を隠すこともせず、かのんは宣言したのでしょう。

かのん「私、勝ちたい! 勝って、ここにいるみんなを笑顔にしたい! 『やった!』って、みんなで喜びたい!」

歌うことが大好きで。
スクールアイドルが大好きで。
Liella!の仲間たちが大好きで。
そして、結ヶ丘のみんなが大好きで。

それはきっと、そんな気持ちから出てきた心からの叫びだったのだと、わたしは思うのです。

かのん「よーし、いくよー!」

「敗北」からはじまった物語は、「敗北」によっていったん幕を下ろします。しかし、その「敗北」はけして無価値なものではないはずです。

きっとそれは、星明かりに導かれた大いなる序章。
澁谷かのんが、そしてLiella!が紡ぐ「みんなで叶える物語」の新たなる「はじまり」なのです。

こぼれ話

「そこは言うほど本題じゃないので……」的なアレ

かのん「入学希望者が増えた?!」
恋「はい! 今の数ならば、生徒が足りなくなることはないと!」

これといい、結ヶ丘や葉月家の財政事情といい、「(やるかどうかはともかくとして)二期以降に余計な問題は持ち込むものか」という、鋼の意志を感じるのです。
まあ、「雑に解決した!」という気持ちが出てこないのかと言われれば、苦笑混じりで肯定せざるを得ないわけですが……。

「仕込み」はきっちり最後まで

看板に「Oriesta」。例のアレですね(ちょっと文字列が途切れていますが、ほぼ確定ではないかと)


gs.dengeki.com

それはそれとして、「スーパースター!!」作中において、すべてのグループ名候補は仕込まれていなかったように思うんですが、見逃しただけですかね。

「不器用な決意」が唐 可可でやってくる

可可「しかし、今日だけはライバルです。今日だけは、ファンをやめます!」

「敵か味方かの二者択一しかないんかい……?」という心配が出てくる部分もありますが、それはそれ、これはこれ。

ラブライブ!スーパースター!!第八話「結ばれる想い」感想 ~五線譜の上、結び合わせた未来は~ - メガネ(裏)

第八話感想でも触れたところではあるんですが、可可って割と「0か100か」で考える部分がありますよね。「ファン」と「ライバル」って、考え方次第で矛盾せず共存出来る感情とも思えるんですけど……。
まあ、そういう不器用さと紙一重とも言える真っ直ぐさに彼女らしさがあるといえば、その通りなんですけどね。

今回のここ好きポイント

かのん「すみれちゃんはいいよねえ。そういう性格で」
すみれ「どういう意味ぃ?!」

第六話でのやり取りもそうだったんですけど、かのんにとってすみれは一番遠慮なく言い合える存在なんじゃないかなって思うんですよね。もしかしたら、すみれにとっても(可可と同じくらい、あるいはそれ以上に)そうなんじゃないかなって。
こういうふたりの関係性、実はかなり好みなのです。




……さて、終わってしまいましたね。

「サンシャイン!!」劇場版の頃から本格的に「ラブライブ!」シリーズに接することとなったわたしにとっては、はじめて「イチから」見届けてきた「ラブライブ!」である「スーパースター!!」。その「物語」がひとつの区切りを迎えたことに、なんだか感慨深さのようなものを感じるわけなのです。
「頑張る女の子」はいつだって可愛くて、カッコよくて、魅力的で、キラキラしているのだということを「無印」・「サンシャイン!!」・「アニメニジガク」に引き続いて再確認させられましたし、「無印」・「サンシャイン!!」から続く「みんなで叶える物語」と、「スーパースター!!」が掲げる「私を叶える物語」が程よくブレンドされたストーリーには、全体として満足の一言なんですよね。

最後に、大変素晴らしい「物語」を届けて下さったスタッフ・キャストの皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。


あと、二期も期待してますからね。